「アニソン・アカデミー」では、レジェンドから若い世代まで数々のアーティストさんが登場して、スタジオでライブを披露してくれます。特に、アニソンがまだ今みたいにみんなに支持される時代じゃなかったころから歌い続けてきた大先輩たちのライブは、本当にカッコいいし、感動しますね。

「アニアカ」の“名誉大王兼理事長”のささきいさお様とか、“名誉Z校長”の水木一郎アニキとか、“名誉教頭”の堀江美都子さんとか。子どものころから親しんできた歌声を生で聴くことができるなんて、本当に感動以外の何物でもないんですよ! 

いさお様は、出演される前にリクエストを受けてくださったので、私は「『宇宙の王者グレンダイザー』と『君の青春は輝いているか』を聴きたいです」って、メールを送ったんです。「宇宙の王者グレンダイザー」は40年以上も歌っていなくて、カラオケ音源自体もなかったのに、レコード会社の倉庫に保管してある音源からカラオケを作って、しかも練習に時間を割いて、スタジオで披露してくださったんですよ。私はそれを知らずに、後から番組スタッフに聞いて、「申し訳なさ過ぎる……」と恐縮するばかりでした。

個人的に、「君の青春は輝いているか」は、胸に刺さった思い出の曲なんです。作詞がジェームス三木さんで、作曲が三木たかしさん。アニソン・ファンの間では“説教ソング”とも言われていて、歌詞には「妥協していないか」「甘えてはいけない」というような厳しい言葉が使われてます。すごいですよね、子ども向け番組の曲なのに。

私、6年くらい前に辛つらいことが続いて、でもがんばろうと思った矢先に骨折してしまって、仕事を辞めようかと本気で悩んだ時期があったんです。そのとき、音楽プレーヤーに入れたことすら忘れていたこの曲が、たまたまシャッフルで再生されて。

涙を流して聴きながら「あ、まだ私は甘えてる」って思って、立ち上がることができました。その話を「アニアカ」でいさお様にお伝えしたら、55周年記念コンサートのトリでも歌ってくださって、それ以降ライブの定番曲になっていったそうなんです。うれし過ぎる!

アニキはアニキで、自分が「アニアカ」に出演していないときもほぼ毎週番組を聴いて、私のLINEに“実況”を送ってくださるんです。仕事じゃないのに……。むちゃくちゃ愛がありますよね。

堀江さんは11歳のころから歌っていらして、年齢を重ねて声帯の状態も変わっていくのに「ファンの人たちが求めているのは当時の声だから」と、声帯をコントロールできるように鍛えて、同じ声を再現しているとか。何それ、どうしたら、そんなことができるの⁉

みんなが喜んでくれるならという思いで、アニソンへの愛を貫いてくださる。そんなレジェンドたちのカッコよさにしびれるし、生きるうえでのとても大事なことを、いつも教えていただいている気がします。

(NHKウイークリーステラ 2020年5月15日号より)

5月5日生まれ、東京出身。2004年に開設した公式ブログ「しょこたん☆ぶろぐ」が大評判となり、アニメ・漫画・特撮・カンフーなどの豊富な知識で大きな話題を集める。2006年に歌手デビューして、翌年「空色デイズ」で「第58回NHK紅白歌合戦」に出場。俳優としてのNHKドラマ出演は、連続テレビ小説「まれ」、ドラマ10「デイジー・ラック」ほか。2011年公開のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」(日本語吹替版)では、主人公・ラプンツェルの声を担当。4月には中国・上海での音楽ライブ出演、5月には毎年恒例のバースデーライブ開催も決定している。