新しい知的探求エンターテインメント番組「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?(びっくりはてな)」が7月12日(土)の夜にスタートする。

世界にあふれる感動=「びっくり」と好奇心=「はてな」をとことん楽しむ番組で、コンセプトは「最先端の探求」。「世界はこんなにも豊かで面白い」という驚きと新しい景色を届ける。

NHKスペシャル「人体」でコンビを組んだタモリさんとノーベル賞科学者の山中伸弥さん、そして新たに俳優の吉岡里帆さんを加えた3人がMCを務める。また、進行役として平成ノブシコブシの吉村崇さんも加わり、知られざる世界との出会いをとことん楽しみ尽くす!

初回放送のテーマは、「AIは人間を超えるか」。
放送を前に、タモリさん、山中伸弥さん、吉岡里帆さんからのコメントと合わせて、今回の番組収録中での“びっくりはてな”を聞いた。


――番組のタイトルに入っている「!?(びっくりはてな)」は、「!」が感動、「?」は好奇心を表していますが、初回放送の収録中で“びっくりはてな”したトピックはありましたか?

タモリ 研究者の方々の話が面白かったですね。皆さん、AIを研究しながら「自分とは何か」「人間とは何か」という問題にぶち当たるとおっしゃるんです。そこが1番“びっくりはてな”でした。そっちの方向に行くとは思わなかったです。

山中 個人的には、AI研究の第一人者、松尾豊先生(日本ディープラーニング協会理事長、内閣府AI戦略会議座長、東京大学大学院教授)が、AIが急速に進歩していることによって、近い将来、AIが人間の脳を理解できるようになると言い切っておられたのに驚きました。僕自身、AIが人間の脳を理解するまでにはまだまだ相当な時間がかかるだろうという印象だったので、もうそこまで研究が進んでいるんだと“びっくりはてな”です。人間の脳のような多層構造を取り入れたAIが急速に成長した結果、そのモデルである人間の脳を理解する一歩手前まで来ているとは驚きでした。

吉岡 人間のように適応力のある人工知能・AGI(汎用はんよう人工知能)の研究は“びっくりはてな”でしたね。今まで小説や映画で見てきたSFの世界が身近に感じられましたし、少し脅威にも感じました。一方で、研究者の皆さんがワクワクしながら研究されていたり、その成果を話されていたりするのを拝見できたのもよかったです。考えることってこんなにも面白いんだと改めて感じることができました。


【タモリさんのコメント】

山中先生とはいつの間にか名コンビみたいに言われるようになっていて、非常に光栄だと思っていますけども、この番組では吉岡さんにも加わっていただき、この吉岡さんがすごく切れ味鋭いことを言うので、大変な刺激になっていて喜んでいます。
私をAI化した“AIタモリ”も出てきて質問に答えたりするのですが、自分でも「あっ、絶対こういうこと言うな」という答えをAIが言うんです。番組の中でも、自分で自分のAIの解説をして、「私がこういうふうに言うのはなぜか」という理由まで明かしますけど、同時に自分の浅はかさも知りましたね(笑)。
この3人の中で、AIに一番遠いのは私なんです。なので収録が始まったときは、「ちょっとまあ、AIのことを学ぼうかな」くらいに思っていたのですが、AIの研究者の方々が「何のためにAIを研究しているんですか?」と聞かれた時の答えが一様に「自分というものを知るためです」ということで、その答えを聞いた時は本当に驚きましたし、ものすごく興味がわきました。普段AIと縁がないと思っている方でも、この番組を見ると、ものすごく興味が湧いてくると思います。ぜひ見ていただきたいと思います。


【山中伸弥さんのコメント】

「人体」でタモリさんと一緒にMCを務めさせていただいて、私にとってもいい思い出であり、勉強になっていたのですが、その「人体」が終わってしまって寂しいと思っていたところ、この新しい番組のお話をいただき、本当にうれしかったです。さらに、MCはタモリさんに加えて、京都にゆかりのある吉岡さんもご一緒ということで、私自身も楽しみですし、周りの色々な人から「吉岡さんと一緒なの?」とすごくうらやましがられています。
AIが作ったコントをやってみたり、私がなぜかコーヒーを作ったり、エンタメ風の番組ではあるんですけども、そこに込められているメッセージには、ものすごく深いものがありまして。AI研究の第一人者でいらっしゃる東京大学の松尾豊先生にお越しいただき、研究者同士でもなかなか聞けないようなお話までしていただきました。本当に今、AIなしでは考えられないような世の中になっていますので、そのあたりの深いメッセージを感じ取っていただけるのではないかと思います。


吉岡里帆さんのコメント】

先日、初めての収録に臨みましたが、とにかく山中さんとタモリさんのコメント力が高く、またタモリさんの毒が効いていて、一筋縄ではいかない番組が始まったなと背筋が伸びました。おふたりが紡ぐインテリジェンスで、収録をしながら、「新しい景色を見られる、クールで涼やかな番組が誕生したな」と感じていました。
名コンビのおふたりに加わりましたが、オンエア後には名トリオと言っていただけるよう、これからの収録も頑張りたいと思います。
初回のテーマのAIについては、人工的なイメージを持っていましたが、収録のあとには、「ひとくくりには人工的と言えない」と思うようになったところが、すごく面白かったです。
どこかで“人間対AI”みたいな考え方もできますし、AIがどんどん人間に寄り添っていき、よりよい未来になっていくという展望が見えたり、見てくださった方にもプラスの感情が湧くような、そういう番組になっていると思います。


第1回 「AIは人間を超えるか?」

AI研究の第一人者で、国のAI戦略会議の座長も務める、東京大学大学院の松尾豊教授を専門家ゲストに迎え、今や暮らしに欠かせない存在になりつつあるAIの“!?(びっくり・はてな)”に迫る。MCたちが三者三様の疑問・感想・考えをぶつけ、時には専門家からも質問を投げかける。

ヒトと現在のAIの違いはなにか? その1つは「体験」の有無という。人はさまざまな体験を通じて、知能をより高度に進化させてきた。一方、AIには体が存在しないゆえに、ヒトのような体験をすることはない。それでいてヒトをりょうするような高度な“知能”を身につけている。果たしてAIが知能を高めていく上で、体験は必要なのだろうか。最新研究から、知能と体験の驚くべき関わりが見えてきた。

また、進行役を務める平成ノブシコブシ・吉村が、自身初となるAIを使ったコントの制作にチャレンジ。果たしてAIに“創造性”は備わっているのか? 誕生したコントへのタモリの評価はいかに!?

さらに、なんとタモリをAI化! 出演者一同の人生相談にAIタモリをはじめとする“偉人AI”が回答する。タモリ×AIタモリという禁断の組み合わせに、一体どんな化学反応が起こるのか?


知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?(びっくりはてな)

7月12日(土)スタート
総合 午後7:30~8:48(隔月放送)※2か月に1回放送

【出演者】
タモリ、山中伸弥(京都大学iPS細胞研究所 名誉所長・教授)、吉岡里帆、吉村崇(平成ノブシコブシ)
第1回専門家ゲスト:松尾豊(東京大学大学院 教授)
ナレーション:杉本るみ

「知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?」NHK公式サイトはこちら(ステラnetを離れます)