「ワタシってサバサバしてるから2」で有名進学高校の若手熱血教師、姫野真理を演じている井桁弘恵さん。有名大学の合格者数を最重要視する貝原教頭(高岡早紀)の方針に反し、「有名大学の合格者数を伸ばすより、生徒の未来に寄り添いたい」と理想に燃えるが、ある日、網浜奈美(丸山礼)が副担任に着任して振り回されることに。「困惑する姿をグラデーションで演じたかった」と話す井桁さんに撮影秘話を聞いた。
網浜先生をまぶしく思っていたと思います
――網浜先生が自分のクラスの副担任となり、姫野先生は翻弄されていますが、姫野先生にとって網浜奈美はどういう存在なのでしょうか?
井桁 姫野先生は立場上、網浜先生に「それはやめてください」と言わなければならない場面も多いのですが、自分は持っていないパワーや強さを羨ましく見ていた部分はあると思います。「それはやりすぎ!」と思う一方で、そこまでできるっていいなと思う気持ちのはざまで揺れているのではないでしょうか。姫野先生は踏み切れない部分があるので、隣で奔放にしている網浜先生をまぶしく見ていたと思います。

――今回はアドリブも多くて大変だったと思いますが、姫野先生を演じる上で大切にしたことは?
井桁 最初に台本を読んだ時は、気持ちが揺れ動く姿が印象的でした。振り回されたり、困惑することが多い役なので、そのパターンが一辺倒にならないように、いろんな困惑をグラデーションのように演じるように心がけました。受け入れたいけど受け入れられない、0じゃないけど100じゃない、バリアは張りたくないけど痛い……、そんな姫野先生を感じていただけたらうれしいです。
――ワタサバといえば、何と言ってもアドリブが魅力です。会見でも井桁さんは「恐ろしい!」とおっしゃっていましたが、実際に現場はどのような雰囲気でしたか?
井桁 本当に笑いをこらえるのに必死でした。高岡早紀さんも「もうやめてよ~」と困惑されてましたし(笑)、駿河太郎さん(学年主任・海道盛夫役)は結構アドリブを仕掛けられているので、職員室のシーンもぜひ楽しんでいただけたらと思います。

井桁 私が姫野先生と井桁の間で迷っている瞬間に気づかれる方もいるかもしれません。ただ、台本に沿い過ぎると、丸山礼さんが全然違う表情をしていたりすることもあったので、その場の空気感や受け取ったものを大事にして演じました。アドリブがあることでいろんな役者さんの個性が出ていると思いますので、そこも楽しんでいただけると思います。
個人的には網浜先生と姫野先生がバイトの話をするシーン(15話)がお気に入りです。丸山さんのアドリブが冴えわたったシーンですが、私的にはうまく受けられたと思います。ぜひ注目してみていただけたらうれしいです。
――丸山礼さんとの共演はいかがでしたか。
井桁 本当に、努力の人なんですよ。打ち合わせも細かくしているし、確認もしっかりするし、ずっと練習していたイメージです。終わった後も「大丈夫だったかな」と声をかけてくれて、自由奔放に演じていただけではない、というところをいろんなところで感じましたね。
誰に何を言われようと自分の人生を楽しむ
――井桁さんご自身が、網浜奈美という人に出会って変わったこととかありますか?
井桁 もともと「人生一度きり」と考えるタイプで、「自分の人生を存分に楽しんでるかな」、と振り返ることがあります。そういう意味で、網浜奈美の「誰に何を言われようと自分の人生を楽しむんだ!」という生き方は私の考えにもピッタリですが、その謳歌の仕方は見習いたいと思いました。
撮影が終わってから「今、やりたいことをやろう!」と思って、年末年始にオーロラを見に行ったんです。ずっと「一度は見てみたい」と思っていたのですが「それっていつなの?」と思うようになって、行動に移せるようになったのは網浜さんの影響かもしれません。

――では、網浜奈美の好きなところはどんなところですか?
井桁 今の社会は、周りを気にすることが多いように感じます。人と違うことに抵抗を感じる人もいると思うのですが、網浜さんは自分の気持ちに素直。周りがどう思う、ではなくて自分がどうしたい、何をしたいかを大切にしています。それって実は、自分にいちばんやさしいのではないでしょうか。網浜さんぐらい自信満々に行動できると周りも受け入れざるを得ないし、見守るしかない。迷惑をかけるのはもちろんダメですが、あの純粋さは好きですね。
――井桁さんは大学時代に「感性工学」を専攻されたそうですが、その観点から網浜奈美という人はどう分析されますか?
井桁 先生が笑顔の研究をされていた方で、笑顔って目だけで笑うより、口元だけで笑うより、すべてが連動していることで印象が良くなる、というようなことを勉強しました。網浜さんは笑う時はしっかり笑うし、怒るときはしっかり怒る。表現が素直なので見ている方は共感もできるし、見ていて気持ちいいのではないかと思います。言動はぶっ飛んでいますが、嘘がないから目が離せなくなっちゃうし、嫌いになれないところがあるのかな、と思います。

いげた・ひろえ
1997年2月3日生まれ、福岡県出身。2011年スカウトにて芸能界へ。2017年 日本テレビ系情報番組「ZIP!」でリポーターとして出演。2021年日本テレビ「おしゃれクリップ」初MCとして大抜擢。 2022年テレビ東京「メンタル強め美女白川さん」で連ドラ初主演を務める。2024年NHK「VRおじさんの初恋」「Shrink〜精神科医ヨワイ〜」、テレビ朝日「伝説の頭 翔」などに出演。集英社「MORE」専属モデルも務める。
ネットコミックの話題作が主演・丸山礼でついに爆笑のドラマ化!
“自称サバサバ女”をめぐるオフィスのあるあるコメディを描きます。⻭に衣着せぬ言動で日夜事件を起こし続ける網浜と、いたって常識的な大人たちが繰り広げる痛快バトル! イラつきを通り越し、最後はクセになる網浜のキャラクター。ラスト、あなたも必ず、彼女を好きになる!
そして今回、シーズン2でさらにパワーアップ!
今度は、高校教師に! そしてまさかの結婚宣言!?
「シーズン1」に引き続き、丸山礼と新たな豪華キャストが縦横無尽に暴れ回ります。
「シーズン2」(【学校篇】【婚活篇】)、いったいどんな活躍(迷惑?)を見せてくれるのか?
夜ドラ「ワタシってサバサバしてるから2」
月曜~木曜 総合 午後10:45~11:00
原作:とらふぐ・江口心『ワタシってサバサバしてるから』
脚本:福田晶平
音楽:信澤宣明
出演:丸山礼、井桁弘恵、駿河太郎、林芽亜里、寺田心/小沢真珠、片岡信和、 加藤諒、IKKO/杉本哲太、高岡早紀、浅野ゆう子
制作統括:中山ケイ子(FCC)、遠藤理史(NHK)
プロデューサー:訓覇圭(NHKエンタープライズ)、大瀬花恵(FCC)、長部聡介(FCC)
演出:伊藤征章(FCC)、保木本真也、雨宮由依(FCC)
「ワタシってサバサバしてるから2」NHK公式サイトはこちら ※ステラnetを離れます