俳優の山田孝之が、21世紀の若者にふんし、時空を超えて当時のフィルムの中に入り込み、当時の東京を追体験していく「東京ブラックホール」シリーズ。過去2回の放送では、終戦直後の1945~1946年、東京オリンピック開催の1964年にタイムスリップし、大きな話題を呼んだ。この第3弾が5/1(日)に放送される。
「東京ブラックホールⅢ」では、日本経済のバブルが最も膨らみ、一挙に奈落の底に落ちた1989年から1990年にタイムスリップ、山田孝之演じる21世紀の若者が狂乱の時代を追体験する。
今でこそ、日本の迷走の原点と位置づけられるバブルだが、その時代、日本経済が世界の頂点に立っていたことは間違いない。経済成長率は先進国で最も高く、輸出も順調で、経営者たちは日本的経営に自信を深め、もはやアメリカなど恐れるに足りずという空気だった。
人々の所得も上がり続け、高級車、高級レストラン、リゾートにも手が届くようになった。未来への期待感が膨らみ、国民全体が多幸感に浸っていた。
しかし、1989年12月、3万8915円という史上最高値をつけた日経平均株価は、年が明けると急落に転じ、10月には2万円を割る。数倍に上昇を続けた東京圏の土地価格も急落していく。
東京に出現したブラックホールは、世界中の富を飲み込み、日本につかの間の繁栄をもたらし、瞬く間に泡と消えたのだった。
歴史上、日本が最も確固たる自信を持ち、陶酔感の中にあった時代を追体験することで、閉塞感の中にある今の私たちの希望の手がかりを探る。