新年明けましておめでとうございます。
またまた間が空いてしまいました。申し訳ないです。

執筆やプライベートのバタバタであっという間に2023年が終わっていました。
2023年は「生理のおじさんとその娘」「タイバニ2」の地上波放送、その他様々な仕事をさせていただきました。応援してくださるみなさま、特に応援はしてないけどエンタメを愛してくれているみなさまのお陰です。ありがとうございます。

そして、この度の能登半島地震により被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

震災以外にも年末年始、いや一年を通して心が痛む、心がやられる出来事が沢山ありました。色々と言いたいことはありますが、まずはどんな時でも当事者・被害者の方々に寄り添える人間でいたいです。そして法の下の平等が守られることを切に願います。

己の無力さを痛感する日々ですが、できる限りの支援と応援を、自分に今何ができるのかを考えてまいりたいと思います。子供の未来の為にも、自分に胸を張るためにも堂々と、が今年の目標です。

さて昨年に続き、私の毎日は朝ドラと共にあります。どうすればもっと良い脚本になるのか、夢の中でも現実でも葛藤していますし時間に追われていますが、そんな毎日が最高に楽しいです。私は仕事をギュッと詰めてスケジュールが埋まっていないと不安になる人間なので、そういう意味での精神安定はあるのかも?

●朝ドラを、倒す?


さて、新年初のグッときた一言は息子に言われた言葉です。

私はよく「締め切りを倒す」「締め切りをやっつける」という言葉を日常生活でつかっているのですが、絶賛特撮やヒーローに(光の星からやってきた系や蜘蛛に噛まれた系のがメインです)ハマっている息子がそのワードに反応してきました。

「倒すって、何を?」
そう問われて、咄嗟に「朝ドラ?」と答えたのですが

どうやら息子の脳内では「アサドラー」という怪獣と私が戦っている設定ができあがったようです。仕事についての理解はまだぼんやりとしかないので、その設定にのっかってやろうと思い、最近会話をしています。

「アサドラーって強いの?」
「すんごい強いよ」

「アサドラー、いつ倒せるの?」
「ん~、まだまだ先かなぁ」

「アサドラーはどんな顔なの?」
「顔とかはない。人によって姿が違う」

そんな会話の中で言われたのがタイトルであるグッときた言葉です。

「なんでアサドラーと戦ってるの?」

息子の問いに深い意味はないと分かりつつ、ドキリとしていまいました。

「ママが戦わないで逃げたりさぼったりすると悪いアサドラーになっちゃうの。良いアサドラーにするために頑張ってるんだ」
「じゃあ、いつ良いアサドラーになるの?」

「それは分からない、ママが決められることじゃないの。アサドラーを見た人が決める事なの」
「ふ~ん……ミカン食べたい」

と、突然のミカン食べたい宣言でこの話は終わりました。

私の答えに納得したようなしていないような顔をしていましたが、母としては気持ちを新たに「仕事を頑張ろう」と思える会話となりました。ママ、良いアサドラーにできるよう頑張るね。

それでは本年もよろしくお願いいたします。

1987年生まれ、神奈川県出身。脚本家・小説家として活躍。主な執筆作品は、「DASADA」「声春っ!」(日本テレビ系)、「花のち晴れ~花男 Next Season」「Heaven?~ご苦楽レストラン」「君の花になる」(TBS系)、映画『ヒロイン失格』、『センセイ君主』など。NHK「恋せぬふたり」で第40回向田邦子賞を受賞。