ただ捨てるのではなく、きちんと扱えば大切な再生資源になる資源ゴミ。つまり、ゴミについて知ることは、SDGsにもつながっているのです。今回も、身近なゴミにまつわるモヤモヤにしっかり向き合っていきます!

●ゴミの“分別”って難しい?

ゴミを資源として活用するために、欠かせない分別。でも、ペットボトルは全部プラスチックだけど何ゴミになるの? プラスチックと金属の両方が使われているものは、どうすればいいの? など、今さら聞けないお悩みも……。よくある分別の疑問に答えます。

ペットボトルのラベルとキャップは、分別すべき?

ペットボトルは、ボトル本体は再生資源に、キャップとラベルは、資源ゴミまたは可燃ゴミになります(地域のルールによります)。そこで、使い終わったペットボトルは、本体、ラベル、キャップの3つに分別することを日ごろから習慣づけてしまうのがおすすめ。そのうえで、地域のルールに従って捨てるようにしましょう。

洗濯バサミ、解体してから捨てるべき?

分別にあたってケガをする危険を伴う場合などには、無理に分別や解体をする必要はありません。基本的には素材の割合が大きいほうを優先して捨てればOK。つまり、この場合は、「プラスチックゴミ」として分別します。

木製のハンガーは、もちろん可燃ゴミ?

こういった“木の塊”は、そのままでは燃えにくいため、可燃ゴミとしては回収されません(不燃ゴミとして回収したあと、粉砕してから可燃ゴミにしている地域が多い)。

ガラス製のものは、なんでも資源ゴミ?

コップ・ビン

同じガラス製でも、ビンとコップ・食器類は扱いが異なるので要注意。ビンは溶かして再生ができますが、コップ・食器類はできません(素材の違い)。しかし細かく割ってしまうと区別がつかなくなるので、割らずに、または、どちらかわかるようにして捨てましょう。

コレは……何ゴミ?

使い捨てカイロ・保冷剤

何ゴミか迷いがちな使い捨てカイロは、可燃ゴミ(昔よりも焼却機能が上がったため)。保冷剤も可燃ゴミです。迷ったときには、きちんと調べてから捨てるようにしましょう!

※ゴミの分別は、地域ごとのルールに従ってください。清掃工場や中間処理をする施設の機能などによって、取り扱いが異なります。ゴミを捨てる前には、必ず確認するようにしてください。


知っておきたい! ゴミにまつわるミニクイズ

Q 無限にリサイクルできる資源ゴミはどれ?

答え:ⒶⒷⒸ全部
※ただし、ガラスはビンの場合。 上記参照。

Q 6つで、トイレットペーパー1個ができる資源ゴミはどれ?

答え:Ⓑ(1リットルの)紙パック
紙パックは、非常に優秀な再生資源。ただし、段ボールや雑誌などと一緒に回収に出したのでは、再生紙の材料にならないので、きちんと分類して出すことが 大 切( それぞれ素材が異なるため)。

協力:芝浦工業大学・工学部応用化学科 なが直文教授、大同大学工学部・かおりデザイン専攻 光田恵教授、マシンガンズ・滝沢秀一さん


●回収日まで気になる、“ニオイ”の問題!

肉や魚、総菜などがのっていたプラスチック製の食品トレーは、軽く洗って資源ゴミに。でも、見た目はきれいでもニオイが残ってしまい、ゴミの回収日がめぐってくるまで、家の中がなんだか臭い……。そんなお悩みを解決する裏ワザを紹介します!

ポテトチップスの袋に入れて、“一時保存”がおすすめ!

内側が銀色をした、ポテトチップスの空き袋に食品トレーを入れておけば、ニオイが外にもれません! もともとはポテトチップスを水や水蒸気、酸素などから守り 、劣化を防ぐための加工(アルミ蒸着)が、ニオイを通さないバリアとして機能するため。

袋の閉じ方を工夫すれば、さらにニオわない!

開いているほうの口を1回折ったら、両端を三角に折って空気の入り口を狭くする。その口をさらに2回折って、中央をクリップでとめればOK!

ポテチの袋ほどではないものの、食パンが入っている袋も、嫌なニオイを閉じ込める効果があるのでおすすめ。
※ただし、これは保管のための応急処置です。最終的にゴミを捨てる際は、中身を出してから捨ててください(中身が見えない袋だと、清掃員が確認する必要が生じてしまうため)。


●間違ったゴミの捨て方が原因で、火災が頻発!?

今、間違ってプラスチックゴミとして出されたあるゴミが原因で起きる火災が、大きな問題となっています。ゴミの正体は、ずばり「リチウムイオン電池」。その理由とは……?
実際に火災の原因となった、リチウムイオン電池が使われている製品。

リチウムイオン電池は、充電することで繰り返し使うことができる電池。軽くて長もちするので、携帯やデジタルカメラ、そのほか多くの小型家電に使われています。ところが、間違って一般ゴミとして捨ててしまうと、収集車で圧縮されたり、工場で砕かれたりした際に発火して、火災の原因となることも……。

火災現場となってしまった、ゴミの分別作業場。
画像提供:日本容器包装リサイクル協会

多いのは(周りがプラスチックにおおわれているため)プラスチックゴミだと思って捨ててしまったり、そもそもリチウムイオン電池が使われていることを知らずに捨ててしまったりという間違い。便利に使ったあとには、しっかりと決められた捨て方に従って処分するよう気をつけましょう。

※リチウムイオン電池が使われている製品は、多くの自治体で、不燃ゴミ、または小型家電として収集されています。


環境カウンセラー ​沢ざわ良子さん コメント

ゴミは 、「 出して終わり」ではありません。出したあとに、人の手を介して分けたり、砕いたりしていることを忘れないでほしいと思います。また、資源ゴミの再生技術もどんどん向上しています。それらが有効に生かされるためにも、私たちがルールを守ることが大切なんです。

(NHKウイークリーステラ 2022年3月11日号より)