プラスチック容器や段ボールなどの分別・回収はもはや常識! でも、正直、何かと面倒なことも……。そこで、達人たちに、資源ゴミにまつわるモヤモヤと負担を減らすための知恵を教わりました!

●かさばるプラスチック容器は……?

食品などが入ったプラスチック容器は、とにかくかさばる! そんな資源ゴミとの向き合い方を教えてくれたのは、俳優の藤田朋子さん。「プラスチックは、どんな形のものでも“解体”して、小さく、平らにして捨てる」のが基本だとか。SNSでも、さまざまなプラスチックゴミを小さくする技を投稿・発信しています。

やわらかい容器は手で潰してねじる!

スーパーでしめじや果物などが入っているような、薄くてやわらかいプラスチック容器。そのまま捨てるとかさばるので、手でギュッと潰してねじればこんなに小さくなる!

かたい容器ははさみを使って解体!

手で潰せないかたい容器は、ハサミで解体して“平ら”なゴミに。

卵のパックは解体&潰し&ひとまとめ!

卵のパックは、ふちを切り取ったあと、卵が入っていたでこぼことした部分を足で踏んで平らに。そして、すべてのパーツを、付属のテープでひとまとめに。多くの場合、卵のパックは、テープもラベルもプラスチック製なので、まとめて捨てるのがおすすめ!


●アルミ缶はどう潰すべき……?

回収に出す前に“潰す”ことが推奨されている地域も多い、アルミ缶。では、一体、どんな潰し方をするのがよいのでしょうか? アルミ缶の再生を推進している「アルミ缶リサイクル協会」が推奨しているのは、意外にも、缶の“真ん中を潰す”という方法。これだと回収後の作業がやりやすいのだと言います。

おすすめは“真ん中潰し”!

アルミ缶は、リサイクルの過程で圧縮してブロック状にするので、真ん中だけ潰した形だと、圧縮したときに缶同士が引っかかるので塊にしやすい。さらに飲み口と底辺部に余白があるほうが圧縮しやすく、ブロックが崩れにくくなってよいのだそう。

ちなみに……

縦に潰してあると缶同士が引っかかりにくく、横にぺしゃんこになっていると圧縮の余地がなく塊にしづらい。
※アルミ缶を潰して回収に出すことを推奨していない地域もあるので、必ずお住まいの地域のルールを確認してください。


●段ボールを小さくたたむ方法は……?

大きな段ボールにも手をやきがち。しかも、せっかくたたんでもすぐに開いてきてしまうし……。そんなお悩みも、「カッター1つあれば解消できる」と教えてくれたのは、段ボールアーティストの山田素子さん。実は段ボールは、表面に“切り込み”を入れるだけで、たたみやすく、元にも戻りづらくなるのです!

カッターで表面に切り込みを入れれば、簡単に折り目がつく!

①床を傷つけないように気をつけながら、折り目をつけたいところにカッターで切り込みを入れる(表面だけ切れていればOK)。
②裏返して、先ほど表に切り込みを入れたのと同じあたりに、同様に切り込みを入れる。
③つけた切り込みにそって折れば、折り目がつきにくい横方向でも簡単にたためる!
④この方法でたたんでいけば、こんなにコンパクトに!


●リサイクルできない段ボールがある?

段ボールの中でも、油や食品で汚れていたり、強いニオイが付いたりしたものは、リサイクルすることができないと知っていますか? そういった段ボールは、資源ゴミとしてではなく、「可燃ゴミ」として扱う必要があるのです。ではその基準とは……?

※段ボールは、リサイクルの過程で、水に溶かしてドロドロにするが、汚れたものやニオイがあるものが入ると、その汚れやニオイがほかのものにも付いて混じってしまうため。

可燃ゴミの段ボールを捨てるときのコツ

リサイクルに出せない段ボールの代表格が、宅配ピザの箱! ゴミ箱に入れるとかさばるし、ゴミ袋に入れると、箱の角が袋を破りがちだし、何かと扱いにくいですよね。そんなときには、一度水にぬらして、やわらかくなったところをたたむのがおすすめです。

水にぬらし、1分ほど待ってからたためば、力を使わずに簡単に小さくたためるうえ、元にも戻らない。
※ぬらした段ボールは、最低でも1日は乾かしてから捨ててください(ゴミ焼却炉で燃やすのに、不要なエネルギーを使うことになるため)。

協力:芝浦工業大学・工学部応用化学科 なが直文教授、環境カウンセラー・ざわ良子さん

(NHKウイークリーステラ 2022年2月25日号より)