「不可避研究中」
『何かと言いにくくて・・・圧 表現を考える』
9/23(金・祝) NHK総合 午後11:45~深夜0:30

誰もが避けて通れない「不可避」なテーマについて、ディレクターが独自の視点で研究する、実験ジャーナリズム番組「不可避研究中」。待望の新作のテーマは、『何かと言いにくくて…圧 表現を考える』。その気になる内容と、MCの稲垣吾郎さん、ファーストサマーウイカさんについて、たち秀樹チーフ・プロデューサーにお聞きしました。


目指せ!「半径5メートルのジャーナリズム」

城CP 「不可避研究中」は昨年度から、“自分ごと”として考えたくなる「半径5メートルのジャーナリズム」をテーマに制作しています。これまでの放送で、「ルッキズム」や「勝ち組」、「結婚」などを取り上げてきたように、特に若い世代が抱く“不可避”な悩みにスポットをあて、視聴者の皆さんと一緒に考える場にできたらと思っています。

最近、若いディレクターたちから、社会全体の雰囲気として、「言いたいことが言いにくくなっているんじゃないか」という意見がありました。特にSNSでの発信は、一瞬で拡散され、炎上につながることも大いにあり、発言すること自体が不安という声も。そういった不安は誰もが感じていると思い、今回は「言いにくさ」「表現」をテーマに、各ディレクターが掘り下げました。


プロデューサーが明かす、見どころポイント!

ポイント1●「言葉のモヤモヤ」を調査

外国にルーツがある方を「ハーフ」と呼ぶことが昔は一般的でしたが、現在では「ミックス」「ダブル」といった呼称に変化していますよね。外国にルーツを持つディレクターも、そんな呼称の変遷にモヤモヤを感じていまして。そのモヤモヤを晴らすべく、国語辞典の編さん者に、言葉の移り変わりについて話を聞きました。

ポイント2●未来の「桃太郎」を調査

その時代の価値観にさいなまれ、言いたいことを自重してしまうことも多いように感じます。そこで未来の価値観を想像し、昔話「桃太郎」が2050年にどのように読まれるのか、妄想してみました。例えば、おじいさんが川に洗濯に行ったり、おばあさんが山に柴刈りに行ったり、鬼たちの暴力は描かれなかったり…。さらに桃太郎は、犬、猿、雉と書面で契約を交わすなど…。実際に子どもたちに読み聞かせをしましたので、その反応もお楽しみに!

ポイント3●芸術とわいせつの境界を探る

「裸像は表現か? わいせつか?」というケースをもとに、表現の線引きについても考えてみました。裸像は公園などに設置されている一方、ある自治体では、「ダヴィデ像のレプリカを撤去しろ」という抗議もあったそうです。そこで今回、全国に出没する小太りでラッパを吹く全裸の男像を取材しました。

ポイント4●宇宙から生中継!?

今、地上には“言いにくい圧”がかかっているということで、“宇宙中継”と称して、言いたいことを自然体に追及されている、ルー大柴さん、お笑いコンビのオダウエダさん、そして漫画家の田中圭一さんを、宇宙を背景にしたセットにお招きしました。彼らが、通常のセットにいる稲垣さん、ウイカさんとトークを行う、少し実験的な取り組みを行いました。

タレント・ルー大柴さん。独特の「ルー語」が今回も出るか!?
自由奔放なギャグで、現在売り出し中のお笑いコンビ・オダウエダ。
「漫画の神様」手塚治虫さんのタッチで、きわどいギャグを描く漫画家・田中圭一さん。

それぞれの表現に対する熱い思いを大いに語っていただき、とても盛り上がりを見せましたので、ぜひお楽しみに!


MC・稲垣吾郎、ファーストサマーウイカの存在感

稲垣さん、ウイカさんは、企画に対して、いつも“自分ごと”として考えてくださいます。今回も、稲垣さんは「テレビに出ているときは、自分もある程度、表現を調節しているのかな」という意味の自問自答をされていました。お二人の歩まれてきた道のり、経験を踏まえたお話には、いつも感心させられます。実は「不可避研究中」は、お二人の本音が聞ける番組なのです(笑)。

また、お二人とも、スタッフをすごく優しく見守ってくれるんです。企画したディレクターたちに、「あの場面良かった」とよく褒めてくださって、その言葉に大きく救われることもあります。収録は、本当にいつも楽しいですね。

「不可避研究中」は、モヤモヤに対する解決策や答えを示すわけではありません。でも、稲垣さんやウイカさんと一緒に考えることで、少しでも何かのヒントが見つかればうれしく思います。お二人の生き方がにじみ出るコメントとともに、ぜひお楽しみください!