これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。


答え:大事なものがバラバラだったから

詳しく教えてくれたのは、東京外国語大学副学長の中山俊秀教授。世界の言葉の違いについて研究する中山教授によると、 諸説あるものの、「その国や地域によって大事にしているものが異なる」ことが、ひとつの理由だといえるといいます。

というのは、日本のような島国ならともかく、ヨーロッパやアフリカのように、地続きで人の往来が盛んな地域であっても、別々の言葉が誕生し、話されています。すると、単に、「地域が離れているから(言語が異なる)」 では、説明がつかないことに。
では、その「大事なもの」とは 一体どんなものでしょうか?

北欧の国、フィンランドにとって大事なものは「雪」。そこで、状態などによって雪を区別する呼び方がある。

日本語で考えてみましょう。 例えば、日本人にとって大事なものといえば、「米」。英語でそれを指す単語は「Rice」のみですが、日本語には、「稲」「ごはん」「シャリ」「めし」などいくつもの言葉があって、そのものの状態やシーンによって、使い分けていますよね?

遊牧の民であるモンゴルの人々にとって大事なものは「馬」。同じ馬でも、性別や年齢によって何種類もの呼び方がある。

このように、地球上のさまざまな場所に適応して生き延びてきた人類は、暮らしている環境、 集団によって、大事にしているものが異なります。すると、仲間に伝えるべきことも違ってくる。よって、ごく自然に、それぞれの土地で違う言葉が生まれてきたと考えられるわけです。

(NHKウイークリーステラ 2021年4月9日号より)