ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、柳井嵩役の北村匠海さんから、第20回の振り返りをご紹介!


――受験に失敗して自分を見失っている嵩に、寛(竹野内豊)がかけた「絶望の隣は希望だ」という言葉は、どんなふうに響いたと思いますか?

そう言われたときは、多分、ピンときていたわけじゃないと思うんです。だって、今まさに目の前にあるのは絶望なわけだから。
ただ、その光と影の関係性というのは……、僕は登美子(松嶋菜々子)さんが嵩に与えたかげりに光を照らしてくれたのがのぶ(今田美桜)だと思っているのですが、やっぱり太陽が光っているから月も輝くわけで、そういう相対的な関係ではあるんですよね。僕もやっぱり、絶望の横には希望があると信じているかな。

きれい事と言ってしまえば、それで済んでしまうような言葉ですけれど、それをどう受け取るかが大事なことで。受け取る人がどういう状況かによって、救いの手も救いにならなかったりするし、やなせたかしさんもそういうところにすごく敏感だったと思います。言葉選びとかも含めて。100人いたとしたら100人全員に届く言葉はないと僕は思っているのですが、だとしても、1人でも多くの人の心の飢えを救えるのは、やっぱり寛さんがかけてくれたような言葉だなと思いますね。