ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、大奥総取そうとりしまり高岳たかおかを演じる冨永愛さんから!


冨永愛さんの第15回振り返り

——今回、将軍の子・家基いえもと(奥智哉)が謎の死を遂げました。高岳が怪しく見えますが……。

分かりづらい役ですよね、高岳は(笑)。監督から「いいヤツなのか悪いヤツなのか、わからないぐらいに演技してくれ」と言われているんです。それって、めちゃくちゃ難しいんですよ。シーンによっては「どっちなのか分からない表情だよね、ここは」と言われることもあって……。「どっちかわからない顔って何⁉」と、鏡を見ながら研究したりもしました(笑)。

——高岳が大事にしていることは何ですか?

高岳は大奥の責任者なので、大奥の存続が第一です。そして、とにかく自分がトップであり続けたい。でも、時代を回しているのは男たちですから、田沼意次おきつぐ(渡辺謙)や松平武元たけちか(石坂浩二)に対しては、高岳も下手に出なければいけない。そこに不満も感じています。

田沼も武元も、まつりごとの世界でうまく立ち回って生き残ってきた人なので、本当のことは絶対に言いませんし、腹の底が読めません。だから、彼らが何を考えているのかを見極めて、高岳自身もうまく立ち回ろうと、裏の読み合いをしています。

田沼からしたら、高岳はウザい存在でしょう。追い払いたいけど、大奥を無視することはできない。一方の高岳も、田沼をてのひらの上で転がし、自分の考えを政に反映させたい。お互い協力が必要だとは思っているんです。でも、田沼は国のためを思っているし、高岳は大奥を第一に考えている。見ている方向の違うふたりが協力し合う“気持ち悪さ”が出せればいいな、と思っています。