1月20日（月）スタートの夜ドラ「バニラな毎日」（全32話／8週）。放送に先駆け、第1週の完成披露試写会と出演者会見が行われた。
大阪の小さな洋菓子店「パティスリー・ベル・ブランシュ」を舞台に、さまざまな悩みを抱えた人々が、たった一人のためのお菓子教室にやってくる。じんわり心があたたかくなる賀十つばさの小説『バニラな毎日』をドラマ化した1話15分のスイーツ・ヒューマンドラマがスタートする。
東京・渋谷のNHK放送センターで行われた会見には、主人公のパティシエ・白井葵を演じる蓮佛美沙子さん、料理研究家でお菓子教室を始める佐渡谷真奈美役・永作博美さん、人気バンドボーカルでお菓子教室に現れる秋山静役・木戸大聖さん、そして演出チーフの一木正恵さんが登壇。作品への思い、見どころなどを聞いた。
ホテルの部屋でもクリームを絞る練習をしていました
本作の見どころは、なんといっても毎回登場する美味しそうな「スイーツ」。心に痛みを抱えた人たちがお菓子作りを通して自分を取り戻していく、まるで「スイーツセラピー」のような優しさの余韻が残る作品だ。“主役”でもあるお菓子づくりは吹き替えなし。全シーン蓮佛さんで撮影したという。
蓮佛 白井葵はプロのパティシエで、かなりの腕を持つという設定なので撮影が始まる前にお菓子作りのシーンは吹き替えでもいいというお話もありました。でも、どうしても自分でつくりたい！ という思いがあり、クランクインの1カ月半くらい前からお菓子稽古を始めさせていただきました。道具もお借りして家に持ち帰り、ほぼ毎日練習。撮影がスタートしてからは滞在先のホテルでもクリームを絞る練習をしたり……。
当然のことですが、素人が付け焼刃でつくれるようなものではありません。でも製菓指導の先生方が本当に素晴らしく「白井さんはできる！」と褒めてくださって、自分でも自己暗示をかけながら練習しました。
そんな蓮佛さんのプロのような手技に驚いたと話したのは、秋山静を演じる木戸大聖さん。
木戸 蓮佛さんが大理石の上でチョコレートをテンパリングするシーンなんかは、手技が素晴らしくて、相当練習されたんだな、と感動しました。
一方の、お菓子教室を半ば強引に開いた大阪のおばちゃん・佐渡谷真奈美を演じる永作さんはお菓子づくりにすっかり魅了されたと話した。
永作 撮影終了後、ドラマに出てくるタルトタタンのレシピをいただいて、実際に家でつくってみたんですが、これが本当に美味しくて。ケーキづくりって難しそうに思っていたのですが、実は工程に沿ってきちんとつくればできる、ということがわかったので挑戦してみました。
お菓子づくりって、粉や卵が変化していって、膨らんできたりいい匂いがしてきたり、そういう過程が醍醐味だと思います。この作品を機に、みなさんにもその幸せ感を味わってもらえたらいいな、と思っています。
こんなに胸がいっぱいになった作品は初めて
佐渡谷真奈美が始めたお菓子教室は、なぜか生徒がひとり。それに付き合わされる白井葵は、最初は不快感を示していたが、徐々にその理由が明らかに。悩みを抱えた生徒は、ケーキを仕上げていく過程でバニラの香りとともに心がほどけていく。そして、白井葵自身も癒やされていくところが本作の見どころでもある。
蓮佛 本当に、こんなに胸がいっぱいになった作品は初めてでした。生きているといろんなことがあって、理不尽に思うことや受け入れがたいこと、自分で自分を許せなくなったりすることもあります。この作品は、そんな私たちの人生をまるっと肯定して、一人じゃないんだよと抱きしめてくれるような、人間賛歌のようなドラマ。
私自身も、そんな作品に救われました。頑張っている人、頑張れない人、頑張り方がわからない人、1人でも多くの方にこの作品を届けて、ドラマを通じてみなさんと仲間になれたらいいな、と思っています。
永作さんは本作を「固まっていた心が溶けていくような作品」と絶賛し、見どころをこうアピールした。
永作 日常のなかに潜んでいること、それを掘り起こして焦点を当てているような作品です。固まってしまった心に油が差されていくみたいな、いつの間にか勝手に笑顔になってしまうような。毎週、お菓子教室にゲストが登場しますが、「人に言うほどではないけれど、自分はこんな風に思っている」という彼らの小さな幸せや苦しみが、皆さんの心に絶対届くと思います。
撮影中に誕生日を迎えたという木戸大聖さんは、製菓チームがつくってくれたというケーキのエピソードを披露。
木戸 実はミルクレープが大好きで、ホールのミルクレープでお祝いしていただいたんです。今まで食べたことがない、本当に美味しいケーキで感動しました。美味しいスイーツで撮影が頑張れましたね（笑）。
僕は2週目に登場しますが、各週のゲストに合わせてテーマになるお菓子が登場します。そのお菓子が物語を彩ってくれて、同じ厨房のセットでもなんか見え方が変わったり。素敵なドラマになっていますので、ぜひ楽しんでいただけたら！
最後に永作さんは「毎週月曜日から木曜日の22時45分からの15分は毎日悶絶だと思います。スイーツの誘惑を覚悟して見てください」と笑顔を見せた。
スイーツ・ヒューマンドラマ「バニラな毎日」は1月20日（月）より放送開始。
白井葵（蓮佛美沙子）は、パティシエとしての修業を積み、大阪で夢だったこだわりの洋菓子店を開いた。しかし、経営はうまくいかず、店を閉じることに……。
そこへ現れたのは、クセの強い料理研究家、佐渡谷真奈美（永作博美）。閉店した白井の店の厨房で、“たった一人のためのお菓子教室”を開くという。渋々、協力する白井。不思議なお菓子教室にやってくる生徒は、それぞれに心に痛みを抱えた人たちだった。お菓子を作り、味わう時間が、孤独な心を優しく包み込んでいく……。
夜ドラ 「バニラな毎日」（全8週／32回）
1月20日（月）スタート 毎週月曜～木曜 総合 午後10:45～11:00ほか
原作：賀十つばさ『バニラな毎日』『バニラなバカンス』
脚本：倉光泰子
音楽：jizue
主題歌：「涙の正体」SUPER BEAVER
出演：蓮佛美沙子、木戸大聖、土居志央梨、伊藤修子、和合由依、中島ひろ子、谷村美月、筒井真理子、永作博美 ほか
制作統括：熊野律時
プロデューサー：二見大輔
演出：一木正恵、安達もじり、押田友太、影浦安希子
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