これまでに放送された「素朴なギモン」とその答えを、忘れないように復習しておきましょう。
ワンちゃんやネコちゃんのつぶらな瞳、かわいいですよね。ところで、それらの動物たちの目に〝白目〟がないことにお気づきですか?逆にいうと、どうして人間だけがこんなにはっきりとした白目があるのでしょうか?


答え:狩りが上手になるから

詳しく教えてくれたのは、九州大学大学院で人間の発達と成長について研究しているはし和秀准教授。
私たちがふだん“白目”と呼んでいる部分は、目の構造的にいうと「強膜」といって、衝撃から目を守る役割などがあります。
強膜自体は、人間以外の動物にも広く存在。実は、犬や猫、馬などにもありますが、通常、隠れていることが多いといいます。
あるいはチンパンジーなどのように濃い色がついていて、一見、それとわからないようになっているのです。

一見、白目がないように見える犬の白目は、ふだんは隠れている。チンパンジーの白目は白くない。ともに、視線はとても読みづらい。

そんな中、なぜ人間には白目があるのかというと、ひとつには、「狩りを上手に行うためだったのではないか」と橋彌准教授は唱えます。
古来、単体としては力が弱かった人間は、集団によるチームプレーで狩りを行ってきました。その際、獲物にこちらの動きを悟られないため、 大声を出す代わりに編み出したのが、目だけを動かしてする合図“アイコンタクト”です。

白目があれば、離れた相手にも“目の向き”によって意思が伝えられるため、集団での狩りには最適だったと考えられる。

確かに、白目があれば、ある程度離れた相手でも、視線は読み取りやすくなります(番組の実験では10メートル先の相手の目線まで確認可能でした)。

つまり、人間は、生きていくため、進化の過程で白目を手に入れたと考えられるというわけです。

(NHKウイークリーステラ 2021年2月5日号より)