NHKオンラインにある「CG技術に基づく手話のアニメーション(以下、手話CG)」を使った手話単語の検索サイトがリニューアルされました。とにかく映像が「大進化!」なんです。
NHK財団では、このリニューアル作業のサポートと、サイトの運用管理に協力しています。
手話CGに関しては、これまでNHKが、聴覚障害者への情報提供の充実を目指して研究を進めてきました。緊急報道の際、特に手話キャスターが放送局にいない深夜早朝などの時間帯で、第一報を届けるために役立つと期待されています。
手話をする人の動きをデータとして蓄積・公開
NHKでは手話をする人の「動き」を「データ」として収集、それをもとに手話単語の動作データベースを作りました。この一部、約8,000語のアニメーションは、これまでもNHKオンラインのホームページで公開されてきました。
※これは「手話CG技術の応用例の1つとして、手話学習者の参考になれば」と公開しているもので、手話単語の標準を決めたり、統一したりすることを目的にしたものではありません。
日本語の単語を入力すると、該当する手話単語の動作がアニメーション(=手話CG)で表示されるこの「旧検索サイト」は、あらかじめ作って登録された手話CGのアニメーション動画を再生するものでした。そのため「決まった画角・決まったスピード」での手話動作が表示されました。
いま、ここで生成される手話CG
スピードを変えて、角度を変えて、見られます!
今回のリニューアル版ではCG生成のメカニズムが全く違います。そのため、見たいスピード、見たい角度で、見たい部分を拡大して、手話を見られるようになりました。
リニューアルしたシステムでは、検索したい言葉を日本語で入力すると、それに対応する手話単語の動作データが呼び出され、そのデータに基づいて、“その場で”手話CGを自動生成するんです。
それによって多彩な機能が追加されました。
画像の下にある、スライダーに注目してください。
1.再生を一時停止。さらに再開する箇所も細かく選べます。
上側のスライダーでは好きな所で止めて見られます。
2.速度が変えられます。
右下の小さなスライダーで、0.2倍速から2倍速まで再生速度を選べます。
ゆっくりすれば、細かい動きまで確認できます。
3.角度が変えられます。手指の細かい位置も確認できます。
「1か月」を別の視点から。両手の前後関係がわかります。
4.ズームもできます。もっと見たい、細かい位置や動きを見ることができます。
これらの機能は、PCのマウスやスマホのタッチ画面で操作できます。さらに使い方を説明するビデオもサイト内に用意されていますので、初めての方でもわかりやすくなっています。
豊富な「数の数え方」
一般的な単語だけでなく、かな、アルファベット、数字の指文字などもあります。数字も、基本的なものから、とても大きい数まで細かく分類し、適した手話CGを探せます。
さらに多彩な「数の数え方」(「〇か月」「〇番目」「〇年生」など)に関する手話表現も充実しています。
あなたが知りたい手話がきっとあります。是非、のぞいてみてください!
NHK財団は、この新しい検索サイトの運用を担当しながら、今後も更新や改善に協力していきます。
NHKオンライン手話CG単語検索サイトはこちら。
AI×手話CGの開発秘話はこちら。
(文/NHK財団 技術事業本部 比留間伸行)