母さんのことが大好きな子ぞうの気持ちにきゅんとなる「ぞうさん」
読まずに食べちゃうから、いつまでたっても「ご用事」がわからない「やぎさん ゆうびん」
誰でも知っているあの童謡も、この歌も……詩を書いたのは、まど・みちおさんです。
「まど・みちおのうちゅう」が、島根県出雲市にある平田本陣記念館で開催されています。
2014年に104歳で亡くなられたまど・みちおさん。展覧会は翌2015年から各地で開かれてきました。NHK財団では出身地の周南市美術博物館とともに、企画に携わってきました。
これまで宮城、高知、兵庫、静岡、福岡、岡山、長野、富山の各地にある文学館や美術館を巡回。今回、平田本陣記念館で開催されるのは、10回目、約3年ぶりになります。
1909年、山口県徳山市(現在の周南市)に生まれたまど・みちおさん。戦後の10年ほどは幼児向け雑誌の編集に携わりましたが、1959年にフリーになってからは詩や童謡の創作に専念しました。
「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「一ねんせいに なったら」「ふしぎな ポケット」など、童謡の作詞も数多く手がけました。1994年には日本人としては初めて国際アンデルセン賞作家賞を受賞するなど、国内外で高く評価されています。
貴重な多くの絵本はもちろん、創作ノート、詩のパネル、50代初めに集中して描いた絵画作品、植物図鑑や地球儀などの愛用品、国際アンデルセン賞受賞のメダルなどが展示されています。
全ての作品、資料は繊細なものが多く、取り扱いは慎重です。周南市美術博物館から作品を借用し、会場まで、美術専用車で移動。もちろん、担当している私(筆者)も同乗します。
展示も慎重に行います。できるだけ多くの方に作品を観てもらいたいのですが、作品の保護のことを考えるとあまり展示したくない、展示日数も限られるという、矛盾をいつも抱えています。
オープニングは子どもたちが歌で盛り上げました
今回、平田本陣記念館では、出雲市内にある8つの幼稚園に事前にお願いして「ぞうさん」の絵を描いてもらいました。こちらは会場入り口前に展示しています。
3月9日に行われたオープニングセレモニーではそのうちの一つの幼稚園の子どもたちが歌を歌ってくれました。もちろん、「ぞうさん」「一ねんせいに なったら」「ふしぎな ポケット」などです。
保護者のみなさんは子どもたちの撮影に夢中! でしたので、関係者たちが頑張って手拍子をして会場を盛り上げていました。そのあと子どもたちは会場を見て回り、賑やかな開幕となりました。
島根県出雲市の平田本陣記念館で行われている「まど・みちおのうちゅう」は5月の大型連休(~5月6日(月・振休))までです。まど・みちおさんの作品を見て、その世界に触れてください。
開催概要
■会期
2024年3月9日(土)~5月6日(月・振休)
■会場
平田本陣記念館 〒691‐0001 島根県出雲市平田町515番地
■開場時間 午前9時~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
■休館日 毎週火曜日
■入場料 一般 800円 高校生以下無料
※障がい者手帳、戦傷病者手帳をお持ちの方とその介助者1名は半額
■主 催 公益財団法人 出雲市芸術文化振興財団、出雲市、出雲市教育委員会
■監 修 公益財団法人 周南市文化振興財団
■企画協力 一般財団法人NHK財団
■お問合せ 平田本陣記念館 電話 0853-62-5090
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(文/NHK財団 展開・広報事業部 橋本弥生)
展示に関するお問い合わせはこちら(NHK財団お問い合わせフォーム)