東京・銀座のRICOH ART GALLERYで開催中の「であうアート展」で、言葉どおりのステキな“であい”がありました。その感動をぜひとも共有したく、今回少しばかりおつきあいいただければうれしいです。


そもそも「であうアート展」ってなに?

「であうアート展」とは、NHKで放送する「ハートネットTV」の「あがるアート」をきっかけに、流通経済大学の教育プログラムの一環として立ち上がったもの。「NPO法人グループ彩」が運営する生活介護事業所「生活工房」所属の障害者アーティストと学生が交流を重ね、展示作品を通して学生・地域・障害者が「つながり、であう」場を目指す展示会です。

去年11月に流通経済大学で行われた「であうアート展」

写真からもわかるように、どの作品もユニークで、既成概念にとらわれないものばかり……!
去年開催された展示会に私も伺いましたが、展示作品を見ていると、凝り固まったものの見方を、なんだかほぐしてくれるような感覚もありました。

▼去年、流通経済大学で行われた「であうアート展」のリポートはこちらから!▼
「あがるアート」って一体どんなアート? | ステラnet (steranet.jp)

このたび、リコーグループが「であうアート展」の活動に賛同し、RICOH ART GALLERYにて展示会を開催することになりました。

「世の中の役に立つ新しい価値を生み出し、生活の質の向上と持続可能な社会づくりに責任を果たす」という同社の理念に共通するものとして、この活動に賛同しRICOH ART GALLERYで「生活工房」を代表するアーティスト6名の作品をご紹介する運びとなりました。【(株)リコー ホームページより一部抜粋】

▼今回の展示会に協力した、HANSAM木下真さんの「企業と障害者アーティスト」に関する寄稿はこちらから!▼
「支援」から「共生」へ 企業のスタンスの変化 | ステラnet (steranet.jp)


ものの見方って十人十色

さて、今回の展示会でどんなアート作品とのであいがあったのか、一部ご紹介させてください。会場に入りまず目に入ったのが、こちら!

布や毛糸などで作成された、インコとニワトリが来場者をお出迎え。
インコというと、かごの中にたたずんでいる姿を私は思い浮かべてしまうのですが、この作品からは空を自由自在に飛ぶ姿を想像させてくれますよね。
そして、次にであったアート作品がこちらです。

皆さん、これは何を表しているものだと思いますか?
(いきなりクイズ形式になり、すみません)

正解は……「セミの羽」です。
針金、新聞紙、テープのみで作られたそう。すごくダイナミックな作品ですよね。この作品一つで、なんだかいろいろ想像が広がります。
「作者の方はどうしてセミの羽をこういう形で表現したのだろう? 私は〇〇のように見えた!」などなど。展示作品を通して、それぞれのものの捉え方を知り、自分だったらどう作るか考えてもみたり――。そうやって考えを深めていくことがすごく大切かもしれないと、考えさせられた作品でもあります。
(ちなみに私は、知恵の輪だと思いました……)

ほかにも、

湯山俊 作「〇」
石毛尚吾 作「ニードルワーク」
金杉匠蔵 作 左から「仏像」「マンドリル」

などなど、今回のであうアート展のタイトルにもあるように、まさに「いろがあふれる、かたちがおどる」作品ばかり。見る人の心を動かす「アート」の力を改めて感じるとともに、自分のものの見方を180度ひっくり返された場でもありました。


それぞれの考えを認め合い、尊重する社会に――。

「であうアート」プロジェクトを推し進めている、流通経済大学・大橋教授はこう語ります。
「今回のアート展が、多様性を尊重しあう一助になればと思います」

▼大橋教授のインタビュー記事はこちらから!▼
「であうアート」から多様性を感じてほしい | ステラnet (steranet.jp)

ものの捉え方がそれぞれ違うように、考え方も人それぞれ。考えを頭ごなしに否定せず、まずは理解をしようと努めることが、「共生社会」の実現につながるのではないか――。
急にまじめな話になってしまいましたが、創造力あふれる個性豊かな作品を前に、そんなことをふと考えました。
この展覧会は、3/12(土)まで開催予定です。訪れることのできる方は、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

「であうアート展~いろがあふれる・かたちがおどる~」
■開催期間
期間:開催中 - 2022年3月12日(土)
営業:12:00 - 19:00
会場:RICOH ART GALLERY LOUNGE (9階)
休廊日:日・月・祝
https://artgallery.ricoh.com/exhibitions/deauart