「テンションがあがる」「企業価値があがる」「地域の活力があがる」など、人々を元気にさせてくれるアートを、Eテレ「ハートネットTV」は“あがるアート”と名づけている。

そんな“あがるアート”と出会うことのできる展覧会「であうアート展」がことし10月に、流通経済大学の新松戸/龍ケ崎キャンパスなどで開催された。展示された作品は、千葉県成田市にある障害者支援施設「生活工房」に所属する、7人のアーティストたちの作品およそ100点。絵画だけではなく、粘土造形、ニードルワークなど、形式にとらわれることのない、ユニークな作品ばかりだ。

色鉛筆、ペンで描いた「ヘビ」と「ペンギン」。
それぞれの作家の個性を強く感じる場となった。
学生とアーティストとの交流を記録した映像も。

さらに、流通経済大学の学生たちと、障害者との交流の中で生まれた、数々の活動の記録映像も展示。特に印象的だったのが、「なにより作品を作ることに楽しさを感じていて、すてきだった」という学生の言葉。楽しく制作した作品が、誰かに元気を与えるものになる――。アートの持つパワーを改めて感じた。

アートが、多種多様な人々をつなげていき、さらに地域社会の強い結びつきを“あげて”いくものになることを、強く実感した展覧会だった。

(NHKウイークリーステラ 2021年11月26日号より)