新・介護百人一首

カープ勝ち
ふと思い出す
おじいちゃん
笑顔で新聞
読んでるだろうな

広島県𠮷田 仁 53歳)

愛知県 黒川七虹

詞書

実習で担当させて頂いた利用者さんがカープファンで、施設でスポーツ新聞をカープが勝った日は嬉しそうに読まれていたのを思い出しました。

感想コメントをいただきました

茂木健一郎

野球好きは一つひとつの試合の結果に一喜一憂するもの。熱心なファンの多い広島東洋カープの勝利の報に、おじいちゃんを思い出す。日常の中でそこだけぽつんと白熱電灯がついたような温かさがあります。「笑顔で新聞読んでるだろうな」という言葉に、おじいちゃんのお人柄と、新聞が情報伝達の主要な手段だった頃の手触りがあります。新聞を広げて、好きなチームの勝利の報を熱心に読む、そんな時間のかけがえのなさが心のアルバムに収められた歌です。

茂木健一郎

1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究。文芸評論、美術評論などにも取り組む。NHKでは、〈プロフェッショナル 仕事の流儀〉キャスターほか、多くの番組に出演。