新・介護百人一首

二日分の
わが尿たっぷり
臭いごと
さっと持ち去る
若き看護師

山口県横川 美代子 72歳)

詞書

尿管が取れるまでの二日間、まった私の尿、目盛りを見てさっと持っていった若い看護士さんをとても頼もしく思いました。

感想コメントをいただきました

吉田潮

デリカシーのある看護師さんですね。患者の排泄はいせつに関する情報を大声で話したり、患者の名前が書かれた尿袋をいつまでもそのへんに放置したりしない。余計なことを話さないのは、無愛想に感じるかもしれないけれど、的確で迅速な仕事っぷりは想像できます。高齢者に幼児言葉で話しかける看護師やしゃべりすぎる看護師を私も信用していません。看護師のスマートさと頼もしさが伝わってくる歌です。入院生活お疲れさまでした。

吉田潮

ライター・コラムニスト・イラストレーター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業。健康誌や女性誌の編集を経て、2001年よりフリーランスライターに。週刊新潮、東京新聞、プレジデントオンライン、kufuraなどで主にテレビコラムを連載・寄稿。NHKの「ドキュメント72時間」の番組紹介イラストコラム「読む72時間」(旧TwitterのX)や、「聴く72時間」(Spotify)を担当。著書に『くさらないイケメン図鑑』、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか?』、『ふがいないきょうだいに困ってる』など。テレビは1台、ハードディスク2台(全録)、BSも含めて毎クールのドラマを偏執的に視聴している。