新・介護百人一首

倒れるまい
強くベルトを
つかまれて
父の生への
執念を知る

香川県樋口 淳一郎 59歳)

詞書

父は晩年、足元が不自由だったのですが、僕と一緒にいて転びかけ倒れるまいとして、僕のベルトを恐ろしく強い力でつかみ起き上がりました。父親の生への執念を見事だとよく思い出します。

感想コメントをいただきました

北条ふとし

僕は死ぬことが何より一番怖い。この『執念』という字を見た時、ハッとしました。僕は何事にも一生懸命やっているだろうか?いや、どこか格好つけて生きているんだと思います。泥臭くてもいい、周りにどう見られ思われたとしても関係ない。ただただ一生懸命に生きる。お父さんカッコいいですね!男としてこういう人に僕は憧れます。

北条ふとし

1976年生まれ、埼玉県吉川出身。お笑い芸人、俳優。NSC東京2期生『サブミッション』というコンビで長年活躍していた。2005年4月からピンで活動開始。よしもと埼玉県住みます芸人、マツコデラックスのモノマネが好評。両親の介護をきっかけに、介護の世界に携わり、現在勉強中。認知症介助士、認知症キャラバンメイトの資格取得や「羽ばたけ!SAITAMA KAIGO オンライン芸術文化祭」の特別審査員、プレゼンターなどを務める。