新・介護百人一首

くるま椅子いす
座り続けて
十五時間
就寝ヘルパー
待つ間の長し

山口県弘中 光子 75歳)

山口県 弘中光子

詞書

私は朝昼夜5回のヘルパーさんの世話になっている。朝、車椅子に乗せてもらったら、夜10時まで15時間座ったままだ。腰痛などでヘルパーさんが来られるまでの時間がとてもつらく長く感じる日がある。

感想コメントをいただきました

asaco

声をかければ来てくれるはずのヘルパーさんを、忍耐強く待つ筆者の控えめな人柄が垣間かいま見える歌。何より、朝から夜まで15時間も車椅子生活を余儀なくされるだなんて。日常にどれだけ不自由さが伴うのか、想像しただけで胸が苦しくなります。でも、本来ならもっと気軽にヘルパーさんを呼んでいいはずなんです。呼ぶのを躊躇ちゅうちょしてしまうのは、人手が足りていない証拠なのではないでしょうか。社会が見直すべき課題です。

asaco

1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ。モデルとして雑誌・webやCMなどに出演。子育てにまつわるコラム執筆や、企業の広報PRなど多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの理事に就任し、地域活性にも携わる。