新・介護百人一首

「認知症に
なったら楽よ
なんもせんで
よか」といふ姉の
さびしきまなこ

佐賀県新納 玲子 82歳)

詞書

商家に嫁ぎ、ずっと働きずくめの姉は初期認知症となり今年卒寿です。家族のために何かしたい。でも出来なくなってしまった姉の複雑な気持ちに胸がいっぱいになります。

感想コメントをいただきました

asaco

今まで当たり前のようにしてきたことが、できなくなるもどかしさ。本人はもちろん、それを見守る家族だって悔しさが込み上げますよね。「何もしないでいいんだから楽よ」という皮肉めいた言葉が、余計にその無念さを象徴するかのようで、こちらまで胸が締め付けられるような気持ちになります。働き者だったお姉さんだからこそ、いつまでも家族のために元気に動き回りたかったんだろうな。

asaco

1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ。モデルとして雑誌・webやCMなどに出演。子育てにまつわるコラム執筆や、企業の広報PRなど多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの理事に就任し、地域活性にも携わる。