新・介護百人一首

テレビから
梅雨が明けたの
速報に
施設のみんなで
夏を感じる

石川県中村 結奈 17歳)

愛知県 匿名希望

詞書

実習中にテレビで梅雨明けの速報が流れたときに、利用者さんや職員の方と「夏が来たね」と話しました。

感想コメントをいただきました

茂木健一郎

季節の移ろいを感じることは、生きているということの実感につながります。春になれば桜の開花がニュースとなり、また梅雨入り、梅雨明けをニュースで速報する日本人の季節感は、過ぎゆくときと自分の人生を重ね合わせたすばらしい文化だと言えるでしょう。季節の変化をともに受け止めることで、人生の流れがまるであたたかく束ねられているような、そんな思いがこみあげてきます。ああ、また季節がめぐっていく、生きていてよかったなあという喜びの伝わる歌です。

茂木健一郎

1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究。文芸評論、美術評論などにも取り組む。NHKでは、〈プロフェッショナル 仕事の流儀〉キャスターほか、多くの番組に出演。