新・介護百人一首

父親の
足の爪切る
風呂上がり
電柱に登り
踏ん張った足の

秋田県齊藤 敏也 54歳)

詞書

父は電話の仕事をしていて、いつも電柱に登っていました。この足でずっと家族を支えてくれたことに感謝を覚え、いとおしくなり、爪を切りながら胸が熱くなったことをおぼえています。

感想コメントをいただきました

北条ふとし

親への感謝は自分が同じ立場になりはじめてわかること。その証を見れたことは羨ましいです。僕の父は公務員でその時はすでに背中は丸まり父の背中は小さかった。だからもっと感謝の気持ちに早く気が付きたかった。あなたが爪を切ったとき足が細くやせ細っていたとしても家族を支えあなたを育てた証は大きく力強く感じられたでしょう。それが本当に羨ましい。

北条ふとし

1976年生まれ、埼玉県吉川出身。お笑い芸人、俳優。NSC東京2期生『サブミッション』というコンビで長年活躍していた。2005年4月からピンで活動開始。よしもと埼玉県住みます芸人、マツコデラックスのモノマネが好評。両親の介護をきっかけに、介護の世界に携わり、現在勉強中。認知症介助士、認知症キャラバンメイトの資格取得や「羽ばたけ!SAITAMA KAIGO オンライン芸術文化祭」の特別審査員、プレゼンターなどを務める。