新・介護百人一首

隔離終え
タバコ一服
カヨさんは
誰より早く
日常に戻る

長崎県北原 俊紀 60歳)

愛知県 ペンネーム さくてぃん

詞書

コロナ禍で隔離生活の中、介護施設の利用者さんの生活も大きく変わりました。そんな中で久しぶりにタバコを吸っている100歳のカヨさんを見てほっとしました。

感想コメントをいただきました

吉田潮

面会やイベントなど、介護施設にもようやく日常が戻ってきましたね。いい光景が目に浮かびます。戦禍も疫禍も災禍も幾度となく乗り越えてきた、100歳のカヨさんだからこそ、日常の尊さが伝わってくるようです。うまそうに煙をくゆらすカヨさんはどんな思いでいるのでしょうか。きっと特別なことではなく、淡々と今を楽しんでいるのだろうなと思いをせました。カヨさんを見守るあたたかいまなざしも肌で感じる歌です。

吉田潮

ライター・コラムニスト・イラストレーター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業。健康誌や女性誌の編集を経て、2001年よりフリーランスライターに。週刊新潮、東京新聞、プレジデントオンライン、kufuraなどで主にテレビコラムを連載・寄稿。NHKの「ドキュメント72時間」の番組紹介イラストコラム「読む72時間」(旧TwitterのX)や、「聴く72時間」(Spotify)を担当。著書に『くさらないイケメン図鑑』、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか?』、『ふがいないきょうだいに困ってる』など。テレビは1台、ハードディスク2台(全録)、BSも含めて毎クールのドラマを偏執的に視聴している。