ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は3人!蔦屋重三郎役の横浜流星さん、大田南畝役の桐谷健太さん、鶴屋喜右衛門役の風間俊介さんから。
横浜流星さんの第20回振り返り
——今回、蔦重は大田南畝と知り合いました。これからは南畝のほかにも朋誠堂喜三二(尾美としのり)、北尾政演(古川雄大)、恋川春町(岡山天音)らと組んで、多くの作品を世に送り出します。スター作家との交流はいかがですか?
彼らが生み出すものは、自分では到底思いつかないものばかり。いちばん強く、根底にあるのは、リスペクトする気持ちです。森下先生の台本にもよるのですが、彼らが発する言葉があまりにも面白くて、素直に受け入れられるんです。それに皆さん、個性豊かな方たちばかりで……(笑)。
何かを作り出す人はクリエイティブにこだわって、少し変になるんだと思います。宴会のシーンでは、皆さん、好きなように騒いで……。その変わりようを面倒くさいと感じる人もいると思いますが、その面倒くささがすごく魅力的なんです。クリエイティブにものを作るためには、面倒くさいくらいでないといけないんだな、と思いました。

桐谷健太さんの第20回振り返り
——いよいよ大田南畝が登場しました。収録はいかがですか?
南畝は、とっても明るい人なので、自分もすごく楽しくやっています。収録の日は、なぜかみんな拍手して終わったりして(笑)。そういうのも、うれしいですよね。激動の時代に「めでたいめでたい」と言いながら、世の中を明るくしようとした南畝の生きざまを、微笑ましく見ていただけたらうれしいです。
——狂歌のセリフ回しは独特ですが、いかがですか?
南畝は、ことば遊びが得意な人です。自分なりに音を合わせてやっていますが、セリフの一つ一つが頭に残るというか、こびりつくというか……。どういう詠み方、歌い方をしていたか実際に分かる人はもういないので、自分なりの感覚とその場の空気感で、いい感じでやれていると思います。

風間俊介さんの第20回振り返り
——蔦重の勢いが増していますが、鶴屋としてはどう感じていますか?
意識しています。進化していますからね、蔦重、そして耕書堂が。ただ「とは言え、まだ」という意識もどこかにあります。「吉原にいるうちは、まだ大丈夫だろう」というような。
——南畝の書いた青本の評判記『菊寿草』で蔦重の作品が高く評価されました。鶴屋の悔しそうな表情が印象的でしたが……。
まさに『菊寿草』を読んでいるときに、蔦重が訪ねてきて……(笑)。鶴屋としては、『菊寿草』に書かれた評価は「気にしていませんよ」というスタンスなんですけど、読んでいたのを蔦重に見られるのはやっぱり嫌だなと、とっさに『菊寿草』を自分の後ろに置いたんですよね。演じながら、この感覚はちょっと面白いなと思いました。