2019年11月にオープンした「NHKプラスクロスSHIBUYA」は、2024年8月、累計入場者数が100万人を超えました。5年のあゆみを、運営担当者が振り返ります。
開業!盛況! しかしその直後……。
2019年11月1日、「NHKプラスクロスSHIBUYA」は、渋谷スクランブルスクエアビルの開業と同時にオープンしました。
「ここに来れば、みなさまの暮らしに新たな価値がプラスされ、またこの場やインターネットを通じて双方向の関係が生まれ、NHKとみなさまがクロスする」ことを目指して「プラスクロス」と名付けられました。
最初の企画展は「チコチャンブル交差展」でした(展示名は「交差点」と「展示」をかけています。念のため!)。8K画質で上映できる3m×9mの大画面や、ラジオスタジオを有するこの新しい施設には、NHKファンの方のほか、買い物や観光でビルを訪れた方にも多く入場していただき、大盛況のうちにスタートしました。
ところが……。開業から約4か月で、プラスクロスは一時休業することになります。2020年2月末、新型コロナウイルスが拡大していました。4月には「緊急事態宣言」発出。6月から、感染対策を徹底したうえで再開したものの、時間を短縮しての運営が続きました。
この時期、新型コロナ拡大の影響で、連続テレビ小説「エール」や大河ドラマ「麒麟がくる」の収録ができなくなり、一時放送が休止になったことを覚えている方も多いことでしょう。渋谷のスクランブル交差点にも、人がまばらにしかいませんでした。
「ウィズコロナ」の模索から、新たなにぎわいへ
その後「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が繰り返される時期が長く続きます。プラスクロスは感染症専門医のアドバイスを得て、感染防止対策をしながら運営していました。入場されるお客様にも、入口での検温やマスク着用、手指消毒などにご協力いただきました。私が運営担当者として着任したのは2021年の夏、東京オリンピックが無観客で開催されたころです。
企画展は、連続テレビ小説や大河ドラマをはじめ、防災、SDGsなど、多様なテーマで開催し、スタッフがお客様お一人おひとりとのコミュニケーションを大切にする、プラスクロスならではのご案内スタイルが確立されていきました。
2023年1月頃からは、外国人のお客様が一気に増えました。場内に、英語、中国語、韓国語の多言語表示を増やし、スタッフが外国人のお客様を英語でご案内したり、携帯型翻訳機を使って世界中からお越しの方と会話したりすることも日常風景となりました。
2023年5月、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「2類」から「5類」へ移行し、渋谷の街、そしてプラスクロスにもにぎわいが戻りました。
連続テレビ小説や大河ドラマの展示を「毎年楽しみにしている」というリピーターのお客様の声が増えたほか、「ドラマ 岸辺露伴は動かない」展、「天才てれびくん×NHK for School」展などには、番組の熱烈なファンの方が詰めかけました。渋谷本来のにぎわいに加え、新たなにぎわいが生まれていると感じました。
目指したところへ。そしてまたいつか。
2024年4月、NHKプラスクロスSHIBUYAが9月16日で運営を終了することが発表されました。終了を惜しむ声もいただきながら開催した、連続テレビ小説「虎に翼」展、「第28回NHKハート展」、そして「Nスポプレイパーク2024」については、ステラnetでもご紹介してきました。「Nスポプレイパーク2024」は運営終了最終日まで開催しています。
運営終了前、最後の企画展では、パリオリンピック、パラリンピックのパブリックビューイングを行いました。会場の観客の大声援のなか行われている競技のもようを、プラスクロス自慢の大画面で多くのお客様に楽しんでいただくことができました。
2021年の東京大会を思うと、まるで夢のような光景です。当初想定されていたのとはずいぶん異なる道のりにはなりましたが、「新たな価値がプラスされ、NHKとみなさまがクロスする」場としては、目指すところへたどりついたのではないかと思っています。「100万人達成」は、うれしいごほうびをいただいた気分です。
これまでNHKプラスクロスSHIBUYAへご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。最後に、連続テレビ小説にちなんでひとこと。
「さよーならまたいつか!」
(広報・広聴事業本部 NHKプラスクロス 小林淳子)