【徹子さんにひとこと】徹子さんは、“手話の伝え手”としての大先輩。シュドラとはおなじみですが、ご本人とも共演させていただいて、本当にうれしかったです!
(ろう通訳 戸田康之さん、湯山洋子さん)

4月より「みんなの手話」新シーズンがスタート! 番組ナビゲーター9年目となる三宅健さんが、手話を学んだきっかけや、番組への思いを語ります。

◆手話との出合い

僕が手話と出合ったのは、2005年、デビュー10周年で行った握手会のときです。1人のファンの女の子が手話で話しかけてくれたのですが、僕はとっさに何もすることができなくて。

ろう者の方もコンサートに来てくれていることを、そのとき初めて知りました。それが気がかりで、手話を学びはじめました。

でも、外国語と同じで、手話も日常的に使っていないと簡単に身につくものではなく……。その難しさは常々実感しています(苦笑)。

2014年から8年もナビゲーターをさせていただいていますが、まだまだ学ぶことばかり。新年度からも、初心を忘れずに、この番組を見てくださるみなさんと一緒に、一から勉強するつもりでお伝えしたいと思っています。

◆境界線を取り払って

去年行われた東京オリンピックの開会式では、会場のスクリーンには手話通訳が映し出されていたのに、テレビには映っていませんでした。それを、僕はとても残念だなと思いました。

ろう者にとっては、手話放送は大切な情報保障です。障がいのあるなしで分けるのではなく、境界線を取り払って、みんなが同じように情報を受け取れたり、物事を楽しめたりするほうがいいですよね。
※情報保障⋯何らかの理由で情報の取得が難しい人に対して情報を提供し、すべての人が知ることができるように保障すること。

さらに災害時は、手話放送があることや、近くに手話がわかる人がいることで、危機的状況を回避できるケースも増えるかもしれない。そのためにも、多くの人に手話を知っていただきたいです。

◆手話を学ぶすべての人のために

僕自身が手話を覚える難しさを経験しているぶん、“伝え方” に関しての気づきやアイデアを大切にしています。

番組の打ち合わせの中で、それをスタッフさんに伝えることもあります。 ろう者も聴者も、この番組が、手話を学ぼうとするすべての人たちのためになる番組であってほしいと願っています。


◆三宅健さんよりメッセージ

 2021年度から、番組のセットや構成が“カフェ”スタイルになり、以前よりも肩ひじ張らずに学べるようになったのではないかなと思います。
みなさんも、カフェに通うようなリラックスした気持ちで、4月から一緒に手話をはじめてみませんか?

みやけ・けん

1979年生まれ、神奈川県出身。 '95年V6のメンバーとしてデビュ ー、その後、幅広く活躍中。2021年には、障がいのある人もない人もみんなで楽しめることを目的とした“ユニバーサル放送”の番組「東京2020オリンピック みんなでハイライト」(総合)のメインパーソナリティーを務めた。

(NHKウイークリーステラ 2022年3月18日号より)