ご自身の手話との出会いや、手話を伝えるための活動、そこに込められた思いなどをお話いただきました!
◆初のカフェ来店!
私はふだん、ほかの出演者の方々とは別の場所で声だけの収録をしているので、実際にこのカフェに来ることができて、またシュドラとも“再会”できてうれしかったです。
実はシュドラの見た目は、最初はいまとはちょっと違っていました。私が「もっとこうしてほしい!」という提案をして、あの子ができ上がったんですよ。
私とよく似ているでしょう? うふふふ。
◆トットちゃんと手話
手話は、昔はあまり日本では知られていませんでした。私自身、詳しく知ったのはニューヨークに留学したとき。アメリカには、ろう者の俳優がやっている「アメリカろう者劇団」という劇団があって、ブロードウェイにも出ているんです。
その劇団のみんなとお友達になったのですが、その舞台が本当にすばらしくて、日本の人にも見てもらいたいと思って。それで彼らを日本に呼んで、彼らの“アメリカ手話”を私が“日本手話”に訳しながら芝居をやりました。
ずいぶん大変でしたけど、たくさんの都市で公演をしましたね。生まれ育った国も違うし、ろう者と聴者で文化も違う。だけど彼らとの間に壁は感じなかった。すごく楽しい経験でした。
◆手話はきれいですてきなもの
40年くらい前、私が「NHK 紅白歌合戦」の司会をしたときに、ふと思い立って、一度、進行に手話を取り入れてみたんです。そうしたら、たくさんの人が興味を持ってくれて。だから、日本中に手話を広めたのは、この私かも……!? (笑)。
手話って、とてもきれいですてきなものです。それを知ってほしくて、私はいまでも多くの人に手話を伝えるための活動をしています。この番組への参加もそのひとつ。
聞こえる人も聞こえない人も、みんながもっと手話に親しんで、楽しく交流できる社会になってほしいです。
◆黒柳さんよりメッセージ
私が日本で手話をやりはじめたのが、もう40年も前のことです。それから長い時間がたったいま、三宅さんみたいな方をナビゲーターに手話の番組が放送されていることや、その番組に こうして関わることができることは感慨深いです。
手話という“目で見る言語” に、もっとみんなが関心を持って、面白いと思ってくださったらうれしいです。
東京生まれ。俳優、司会者。 NHK専属のテレビ女優第 1号として活躍。大ベストセラーとなった著書『窓ぎわのトットちゃん』の印税をもとに、社会福祉法人トット基金を設立。プロのろう者の俳優の育成や演劇活動、手話教室などに力を入れる。日本ろう者劇団理事長。
(NHKウイークリーステラ 2022年3月18日号より)