新・介護百人一首

九十の姉より
送られし
脳活本
夢中になりて
食事を忘る

長野県笹古 紝子 88歳)

鹿児島県 東優空
愛知県 匿名希望
長野県 小幡八千子

詞書

三姉妹は二歳違い。九十の姉はクイズが大好き。妹達にも勉強を迫り、脳活本を何冊も送りつけて来る。やっているうちに面白くなり時間も忘れて夢中でやってしまう。

感想コメントをいただきました

吉田潮

脳トレ、大事ですな。何冊も送りつけてくる長女のお節介をどこかで「余計なお世話」と思っていたものの、やってみたら予想以上にハマっちゃった、とおどける作者の茶目っ気が見えてきます。さすがに食事はとったほうがいいけれど、寝食忘れるほどハマったのならなにより。もうひとりの妹さんはどうだったのか、気になります。私は老いた父に写経や曼荼羅まんだら塗り絵など渡しましたが、1ミリも興味をもってくれませんでした……。

吉田潮

ライター・コラムニスト・イラストレーター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業。健康誌や女性誌の編集を経て、2001年よりフリーランスライターに。週刊新潮、東京新聞、プレジデントオンライン、kufuraなどで主にテレビコラムを連載・寄稿。NHKの「ドキュメント72時間」の番組紹介イラストコラム「読む72時間」(旧TwitterのX)や、「聴く72時間」(Spotify)を担当。著書に『くさらないイケメン図鑑』、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか?』、『ふがいないきょうだいに困ってる』など。テレビは1台、ハードディスク2台(全録)、BSも含めて毎クールのドラマを偏執的に視聴している。