新・介護百人一首

年金から
引かれる介護
保険料
だれかの役に
立っているのだ

鳥取県表 いさお 87歳)

愛知県 匿名希望

詞書

年間十万円前後です。長い間納めたような気もしますが。

感想コメントをいただきました

吉田潮

約47年も介護保険料を払い続けている作者が、介護と無縁の健康な日々を送っていることがわかる歌です。なんだか納得いかないやりきれなさ、それでも「人の役に立っているのだ」と自身を納得させる心の広さが伝わってきます。「自分は、介護を必要とする数百万人を支えている縁の下の力持ちなのだ」と堂々と生きてください。毎年引かれていく悔しさもありますが、きっと誰かが「おかげさま」と感謝しているはずです。

吉田潮

ライター・コラムニスト・イラストレーター
1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業。健康誌や女性誌の編集を経て、2001年よりフリーランスライターに。週刊新潮、東京新聞、プレジデントオンライン、kufuraなどで主にテレビコラムを連載・寄稿。NHKの「ドキュメント72時間」の番組紹介イラストコラム「読む72時間」(旧TwitterのX)や、「聴く72時間」(Spotify)を担当。著書に『くさらないイケメン図鑑』、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか?』、『ふがいないきょうだいに困ってる』など。テレビは1台、ハードディスク2台(全録)、BSも含めて毎クールのドラマを偏執的に視聴している。