新・介護百人一首

ごめんねと
言われて思う
ちがうよと
ありがとうって
言ってほしい

静岡県飯塚 妃夏 16歳)

岐阜県 中村沙良
鹿児島 海陸菜乃羽
愛知県 原田怜奈
愛知県 匿名希望
愛知県 岩吉七海

詞書

私のひいおばあちゃんはいつもありがとうではなく「迷惑かけてごめんね」と言います。ですが私は、ひいおばあちゃんに沢山「ありがとう」と言ってもらいたいからです。

感想コメントをいただきました

市毛良枝

現代の人には素直に言えることが、昔の教育で育っていると言えないこともあります。人に迷惑をかけないことが日本人の美徳だったから。でも、迷惑かけあえる優しさもあります。長く生きてこられたのだから、迷惑かけても安心と思えて、ありがとうと伝え合える世の中がいいですね。そんな、世代間で違う優しさの表現が、うまく伝わると良いなって、若い作者の優しい歌に触れて思いました。

市毛良枝

静岡県生まれ、俳優。文学座附属演劇研究所、俳優小劇場養成所を経て、1971年ドラマ「冬の華」でデビュー以後、映画・テレビ・舞台と幅広く活躍。現在は、母の介護の経験を通じ、執筆活動や講演も行っている。趣味の登山をいかし、特定非営利活動法人 日本トレッキング協会理事、環境カウンセラーの資格を持つ。「73歳、ひとり楽しむ山歩き」(2024年2月発行 KADOKAWA)が好評発売中。