阪神・淡路大震災から30年――。
村上春樹の連作短編小説『神の子どもたちはみな踊る』を原作にした“地震のあと”の4つの物語をドラマ化。年代も舞台も異なる4つの物語を通して、地震の後の30年間の時間を描いていく。
岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市が各話の主人公を務める。そして、このたび、新たな出演者として、堤真一、井川遥、錦戸亮、のん(声)が出演することが発表された。ドラマの核となる主要人物を演じる。
予告編公開中 ※ステラnetを離れます
【出演者】
#2「アイロンのある風景」 三宅役 堤真一

【堤真一さんのコメント】
僕は西宮出身なのですが、阪神・淡路大震災の当時は東京にいて、遠くから被災する故郷を眺めるという経験をしています。幸い実家は大きな被害はなかったのですが、亡くなられた人、また大切な人を失ってしまった方々のことを考えると、家族ができた今だからか、以前よりも一層、とてつもないことだっただろう、と怖さを感じています。
僕は実際に焚き火が大好きなんですが、今回、被災し家族を失ってしまった心の傷を抱えつつ、それでも少しでも前に進みたいという気持ちを焚き火の炎に託して演じました。
#3「神の子どもたちはみな踊る」 善也の母役 井川遥

【井川遥さんのコメント】
地下鉄サリン事件が起きたとき私は学生で電車通学でした。東日本大震災が発生した時、わが子はまだ1歳で毎日飛び交う情報に惑わされ、自分を見失いそうになっていました。
身近な人たち、大切な人、当たり前だと思っていた日常が、一瞬で崩れ去ってしまうことを私達は知ってしまった。人はいくつもの後悔の積み重ねで生きていて、トラウマや呪縛、整理のつかない感情を抱えている。私の演じた母親も信じることで自分を生かしているのではないかと思いました。
#4「続・かえるくん、東京を救う」謎の男役 錦戸亮

かえるくん役 のん(声)

【のんさんのコメント】
阪神・淡路大震災が起こった日、私は兵庫県にいましたが、その時は1歳で当時の記憶というのは残っていません。ですが、様々な災害が起こる日本でこの作品が誕生すること、井上監督のこの作品に声の演技で参加できることに、使命感を抱きました。
村上春樹さんの原作をリスペクトしながら2025年に置き換えた「続、かえるくん」。画面を通して佐藤浩市さんと演技を交わしているような気分になれて特別な時間でした。何か観念的なもの、意識の奥に疑問やテーマを投げかけるような作品です。たくさんの人に、様々な感じ方をしていただけたらと思います。
【制作統括:山本晃久のコメント】
30年前、ぼくは中学2年生で西宮市に住んでいました。真冬の朝方のあの揺れの激しさを、今でも鮮明に覚えています。あの時から自分の足元はずっと揺れ続けていたように思います。時折、自分たちの立つ地面がとても頼りない危ういものではないかとおののくことがあり、そして真夜中などに、自分の足に血が通っていることをたしかめて安心することさえあります。
村上春樹さんが30年近く前に書かれた短い4つの物語を今映像化することは、30年前とこれまでに起こった天災の犠牲者への哀悼の意を表するものであると同時に、その揺らぎを捉えようという試みだったのかもしれません。井上剛監督のもと、素晴らしいキャスト・スタッフと挑みました。どれもが心を揺さぶられる不思議な物語です。ぜひご覧ください。
最後に、14年前、多くの犠牲者を出した東日本大震災が起こりました。被災者の方々にお見舞いを申し上げると共に、犠牲となった方々には改めてお悔やみを申し上げます。このドラマは阪神・淡路大震災だけではなく、この30年の間に天災人災で亡くなった方々への哀悼を込めています。この祈りが多くの方々と共鳴するものであってほしいと願っています。
【演出:井上剛のコメント】
以前、阪神・淡路大震災を題材にテレビドラマを作った際、僕は震災を体験していない「部外者」でした。そんな自分に原作『神の子どもたちはみな踊る』は物事を考える指針でした。「地震に遭った人の数だけ震災はある、当事者だけでなくそこから遠く離れた場所にも震災の傷はある」と諭されました。
しかしあの地震から30年、今や天変地異や災厄、だけでなく不穏な暴力が横たわる日常に誰もが「部外者」ではなくなりました。そんな時代に改めてこの原作の持つ力を映像化したいと山本晃久制作統括はじめキャスト・スタッフ、仲間とともに試行錯誤しました。
奇しくも、東日本大震災から14年目を迎えます。被災者の方々にお見舞いを申し上げると共に、このドラマが、この国の地面の上に生きるひとたちが少なからず持つ不安や祈りのようなものに少しでも共振し、共感しうるものであったら嬉しいです。
#1「UFOが釧路に降りる」
1995年、東京。阪神・淡路大震災のニュース映像を見続けていた未名(橋本愛)は、突然家を出ていく。夫の小村(岡田将生)は、妻の行方も分からないまま、後輩に依頼された「届け物」をするため釧路へ赴く。妻はなぜ出ていき、どこに行ってしまったのか? 小村は、釧路で出会った女性たちに奇妙な旅へと導かれていく。
#2「アイロンのある風景」
2011年、茨城。家出して海辺の町に暮らす順子(鳴海唯)は、流木を集め焚き火をするのが趣味の画家、三宅(堤真 一)と出会う。順子は、自分と同じくこの町に流れ着いた三宅に惹かれ、いつしか焚き火を共にするようになる。3月11日の明け方、焚き火の大きな炎を前に、神戸にいた三宅の過去が明かされていく。
#3「神の子どもたちはみな踊る」
善也(渡辺大知)は、熱心な宗教団体の中で、母親(井川遥)から「神の子ども」と言われ育ったが、2011年、東日本大震災を機に信仰をすてた。9年後の2020年、善也は、地下鉄の中で、耳の欠けた男を見つける。それは父親かもしれない男の特徴だった。自分の父親とは誰なのか? はたして神とは? 善也は男を追いかけていく。
#4「続・かえるくん、東京を救う」
2025年、東京。銀行を定年退職し漫画喫茶で暮らす片桐(佐藤浩市)のもとへ、突然巨大な“かえる”の姿をした「かえるくん」(のん・声)が現れ、間もなく地震が起こるという。「かえるくん」は30年前にも片桐と共に戦い、東京を地震から救ったと言うが、片桐にはまったく身に覚えがない。再び、2人の戦いが始まる。
土曜ドラマ「地震のあとで」(全4話)
4月5日(土)放送スタート
毎週土曜 総合 午後10:00~10:45
原作:村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』より
脚本:大江崇允
音楽:大友良英
出演:岡田将生、橋本愛、唐田えりか、北香那、泉澤祐希、吹越満/鳴海唯、黒崎煌代、堤真一/渡辺大知、渋川清彦、黒川想矢、木竜麻生、井川遥/佐藤浩市 、錦戸亮、津田寛治、のん(声)ほか
制作統括:山本晃久、樋口俊一、京田光広
プロデューサー:訓覇圭、中川聡子
演出:井上剛
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