ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、米田結役・橋本環奈さん!
――とうとう結が四ツ木翔也(佐野勇斗)へプロポーズしましたね。でも、その前には、翔也から別れを告げられてしまうシーンもありました……。
翔也が挫折を経験して苦しんでいるのは、結もわかっているんですけど、「2人で乗り越えようっていう話だったのに!」と反発してしまいました。私としては、この先成長していく2人を演じるためにも、ここで若さを出しておきたいという思いもあったんです。見ている方にも、若い時の恋愛って真っ直ぐだったなって思い出してもらえるような、そんな2人を見せたくて。
翔也も結も心根が真っ直ぐだからこそぶつかり合ってしまう、お互いを思いやるがゆえにすれ違っちゃうので、本当に悔しさを滲ませるように演じました。でも、そこで一度きっぱりと離れるから、糸島での逆プロポーズが効いてくるのかなと思っていました。
――プロポーズのシーンは本当に感動的でした。撮影はいかがでしたか?
自分としては、結の人生を大きく変える場面だから、このシーンが一番重要だと思っていました。このプロポーズがあって、この先の人生がどうなっていくか、このシーンで結と翔也の関係性をきちんと見せておきたかったんです。この2人だから、こういう関係性になったと、ちゃんと思ってもらえるように、とても大切に演じたいと思っていました。
実は、ここの部分は台本が何度も変更になったんです。いろいろな事情があったのですが、結果的にこういうシーンになって、私はすごくよかったなって思っています。
――このシーンの撮影の前に、特に何か準備されたことはありますか?
監督とも、かなり話をしました。結って最初はすごく自分の事を殻に閉じ込めていて、みんなの仲介役ばかりで自分の気持ちは二の次だった。でも、ハギャレンのみんなとの出会いによってだんだん心が解けてきて、さらにお姉ちゃんの歩(仲里依紗)とのわだかまりが溶けたことで自分の感情を素直に出せるようになったんですよね。
そこから、結も自由に楽しいこと、好きなことをやってこられたのかなと。栄養士への道も開けた中で、翔也のことを気遣えてなかったことを反省して、結が一歩大人になるポイントになりました。
――佐野さんは、このシーンの撮影前、橋本さんがいつもと違って緊張感のある様子だったとおっしゃっていました。
確かに、現場もすごくシーンとしていました。本番前に、段取りといって、テストで演技をしてカメラワークを決めていくんですけど、私がその段取りの時から結構涙が出てきて……。あんまり段取りで泣いちゃうと、本番がうまくいかないので、これはヤバいかもと思ったんですよね。だから、必死で感情を抑えていたので、いつもと違って見えたのかも。
このまま行くと、感情がパンって弾けてしまいそうだったので、その弾ける瞬間を本番に持っていきたいと思ったんです。やっぱり結と翔也の思いが本当に伝わるシーンだし、演じていると、はやちゃん(佐野勇斗)自身の目に覚悟みたいなものを感じたので、私もすごくグッときました。