プロアドベンチャーレーサー・田中陽希が、日本を代表する300の名峰を自らの力で登り切る「グレートトラバース3~日本三百名山全山人力踏破」。総移動距離2万キロ、累積標高52万メートル、3年7か月に及ぶを壮大な冒険に密着した様子を、これまでの放送から紹介しよう!


日本三百名山とは?
登山家で作家の深田久弥が選んだ日本百名山に、日本山岳会が選んだ200の名峰を加えたもの。

25 どうやま(広島県・鳥取県)

25/300座 三百名山
(2019年8月28日放送より)
登山日:2018年4月13日
標高:1271メートル

山の特徴:広島県と鳥取県の県境に位置。かつて麓には多くの製鉄所があり、道後山の木を伐採して燃料としたことから、今は広大な草原となっている。

Episode 1
歴史を体感できる山
標高1000メートルの登山口からしばらく歩くと、突然田中の前に石垣が現れた。明治時代に広島と鳥取の県境に造られたもので、実はこの一帯には牧場があり、牛が越境しないために築かれたものだという。地元では“万里の長城”とも呼ばれていた。


26 ひがし赤石山あかいしやま(愛媛県)

26/300座 二百名山
(2019年8月30日放送より)
登山日:2018年4月26日
標高:1706メートル

山の特徴:“かんらん岩”と呼ばれる珍しい岩が多く分布。その岩に含まれる鉄分が酸化し、赤っぽく見えることから東赤石山と名づけられたという。

Episode 2
鉱石の宝庫
四国最初の登山となる東赤石山では、鉱物の粒子が輝く結晶へんがんな ど 、地下深くから隆起した鉱物資源が登山道のいたる所に転がっている。今でも新種の鉱石が発見されることもあるといい、田中も思わぬ大発見が!?


27 ささみね(愛媛県・高知県)

27/300座 二百名山
(2019年9月2日放送より)
登山日:2018年4月27日
標高:1860メートル

山の特徴:瓶ヶ森、石鎚山とともに“伊予の三名山”と呼ばれる。その名のとおり、広大な笹原に覆われた、なだらかな山容が特徴。

Episode 3
春のだい​醐​味
四国の山を存分に楽しみたいと、東赤石山からいしづちさんまで50キロに及ぶ大縦走を計画した田中。2座目の笹ヶ峰では、イシヅチザクラやアカイシミツバツツジなど、春の訪れとともに開花した色とりどりの花が出迎えてくれた。

上:イシヅチザクラ  下:アカイシミツバツツジ

(NHKウイークリーステラ 2020年9月25日号より)

1983年、埼玉県生まれ。学生時代はクロスカントリースキー全日本学生選手権で入賞。卒業後、アドベンチャーレースの世界に飛び込み、パタゴニアンエクスペディションレース(2012、2013、2016)で2位入賞など、日本を代表するアドベンチャーレーサーに。2014年に日本百名山、2015年に日本二百名山の人力踏破に成功した。