○MC:田村淳
〇ゲスト:大沢あかね、矢花黎(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、葦原みゅう

○ナレーター:水瀬いのり

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欽ちゃんこと萩本欽一さんが創設した社会人野球チームで監督を務め、監督業のかたわらタレントとしても活動している片岡安祐美さん。彼女のお相手は、プロ野球選手として日本で3年、アメリカで1年プレーした経験を持ち、現在はラーメン店を営んでいる小林公太さんだ。いったい2人は、どうしてカップルに?

こちらは2人の「なれそめ」を語るのに欠かせない、「なれそメモ」!


▶出会い>>悪夢の始まり

安祐美さんの記憶に残っている公太さんとの出会いは、2015年。安祐美さんが友達と訪れた行きつけのバーで、別の席でお酒を飲んでいたのが公太さんだった。そのとき、安祐美さんの友達が、公太さんのお尻のポケットからクリーニングのタグが出ていることに気づいて──。

安祐美「『安祐美、教えてあげなよ』って言われたから、まあ知らない人だけどいいか、と思って。『お兄さん、タグ出ていますよ』って教えたら、犬が自分の尻尾を追いかけてクルクル回るやつがあるじゃないですか」
田村「はいはい」
安祐美「あんな感じになっちゃって。『どこ?どこ?』みたいにクルクル回っていて、『変な人だな~』と思ったのが最初でした」
全員 (笑)
田村「どうしても目視したかったんだね」
公太「はい。『そんなわけないだろ』と思って」
田村「公太さんは、(安祐美さんの)存在は知っていたと思いますが、いつごろからですか? 欽ちゃん球団(茨城ゴールデンゴールズ)に入ってから?」

公太「そうですね。そのとき、僕は中学生ぐらいだったんですけれど」
田村「どう感じてました?」
公太「何か、元気でうるさそうな女の子だなって」
全員 (笑)
公太「当時、僕も野球部に入っていて、それこそ男だけの世界で、みんな野太い声で『うおぃ!』とか言い合っていたので、女の子の甲高い声が聞こえてくると、それだけで印象的で。『うわ、うるさそう~』って、テレビ画面越しに思っていました(笑)」

安祐美さんが野球を始めたのは、9歳のとき。女子が野球部に入ることができる高校を探して進学し、2005年に萩本欽一さん率いる茨城ゴールデンゴールズに入団する。そんな安祐美さんは、野球を続ける中で乗り越えてきたこととして、『小学生:あちこちで陰口』『中高生:ポケットに ? 』という2つのキーワードを挙げた。

安祐美「男子に混じって野球をやってたので、やっぱり『女のくせに』とか、対戦相手にも『片岡から崩せ!』『片岡狙え!』って監督や保護者から言われたりとか、そういうのが小学校、中学校のときはしょっちゅうありましたね」

大沢「そうかぁ」
田村「で、中高生のときに『ポケットに ? ということですけど、これは何を入れていたんですか?」
安祐美「生理用品です。そのままポケットに入れちゃうと、ユニフォームで(生理用品の形が)わかっちゃうので、タオルに包んでから入れて。今ならちょっと抜けても大丈夫かな、というときにさっとトイレに行って、取り替えてグラウンドに戻る、みたいな」
田村「そうか、それは」
大沢「大変だったんだ」
公太「気にすることないのに……」
田村「今となっちゃ別に、なんだけど、何年前?」
安祐美「20何年前ですね」
田村「20何年前だと、今みたいな空気にはなってないもんね。ジェンダー観を語るときに」
安祐美「なってないですね。『女のくせに野球?』っていう時代だったので
大沢「それでもやめようと思わなかった理由って何ですか?」

安祐美「負けたくない!っていう思いが、すごく強くて。甲子園に行きたい!みたいな感じで野球を始めたので、そういう『女の子で大変だから』という理由で野球をやめたいと思ったことはなかったですね」

矢花「僕が気になってるのは『悪夢の始まり』。(出会いの話題では)なかなか聞かないし、気になる要素しかないじゃないですか。何か、詐欺みたいなのに巻き込まれたの?とか」
田村「ねぇ。どういうことなんですか?」
安祐美「バーでの出会いは2015年だったんですけれど、そのもっと前に、2010年だったかな? 私は茨城県のクラブチームの大会に出たんですよ。そこに(公太さんが所属していた)プロ野球の育成チームが参戦してきて、初戦で対戦することになって」
田村「あら、強豪と当たっちゃったんだね」
安祐美「やっぱりプロのチームには勝てなくて。初戦敗退でそのシーズンが終わりになったとき、欽ちゃんに『おい、安祐美。次の監督は安祐美だって俺言っちゃったから、覚悟しとけよ!』と言われて。それは私からすると、悪夢の始まりでしかないんですよ」

田村「選手兼、ということ? うれしいことなんじゃないの? 監督をやりながら選手もやるって、すごく名誉なことで」
安祐美「めっちゃ大変なんですよ。23歳でそれを言われ、24歳で監督兼任になって、年上の先輩ばっかり、みんな男性の選手で」
田村「そうか、なるほど」
安祐美「それで2015年のバーで、『実は僕、対戦したことがあるんですよ』って、2010年の話になったんです」
大沢「『ああ、あのときの!』って」
公太「『対戦したことがあるんです』というところから、いろいろと野球の話をさせてもらいました」
安祐美「それを聞いた私は『(私にとって)悪夢の始まりの日ね!』と言って、そこから話が盛り上がったんです」
大沢「つながった!」
田村「それを聞いたとき、公太さんはどう思ったんですか」
公太第一印象どおりだなって。『テレビのまんま、うるさかったんだ』って思いました」
全員 (笑)
矢花「ここだったんですね」
田村「悪夢の理由がわかった?」
矢花「安心しました。結果的に、その1日は、実は出会いがあって、監督にもなられて、人生のすごいターニングポイントになった1日ですよね」
田村「悪夢、と言いながらも、ね」
矢花「もっとヒドイ話かと思って、ちょっとドキドキしちゃいました(笑)」
大沢「むしろ『欽ちゃんのせい?』みたいな、ね(笑)」
全員 (笑)


▶告白>>横浜3周させられて…

バーで意気投合した2人は、その数日後、一緒にランチをすることになる。かつて横浜ベイスターズ(現在の横浜DeNAベイスターズ)の選手だった公太さんは、食事の場所に、土地勘のある横浜の中華街を選んだ。

葦原「どうやったら(横浜)3周になるんですかねぇ」
田村「数日後って、早いよね」
公太「それが、僕が当時、オーストラリアに留学をしていたんですよ」
ゲスト全員「へぇ~」
公太「野球を引退して、英語の勉強をしたいなと思って」
大沢「おお、自由だねえ」
公太「それでシドニーに行っていまして。ちょうど2週間だけ、日本に帰っているときに(バーで)出会ったんですよ。だから僕には、2週間しか時間がなくて」
田村「じゃあ、『もうちょっと話をしたいから食事に誘わなきゃ!』ってなったんだ」
公太「そうです」
大沢「すごい、積極的」
田村「公太さんは、すぐに行動に移す人ですよね」
公太「そうですね。考えるより、まず動けっていう

田村「そのときの片岡さんは、どんな感じだったんですか?」
安祐美恋愛対象っていう感覚では全く見ていなかったんですよ
葦原「何も発展しない、っていうふうに思っていたから、行きやすかったとか?」
安祐美本当に何もなくて、ただご飯を食べてバイバイ、って思っていたので
田村「なかなか2人が始まらないよね。恋が動き出さない(笑)」
安祐美「それが『横浜3周』なんですよ」
大沢「きたー!」
安祐美「ベイスターズにいたから横浜は詳しいから、ということで、中華街でご飯を食べて、お腹がいっぱいになったので、『ちょっと散歩しようか』っていうのが1周目なんですよ」
公太「僕は、横浜は“庭”ですから」
安祐美「で、山下公園、赤レンガ倉庫とか大さん橋……」
大沢「ああ、いいルート」
安祐美「桜木町とか、その辺をまず1周したんですよ。そのときは、くだらない話をずっとしてて。で、1周終わったと思ったら『ちょっと腹減らないですか?』って言うんですよ。さっき中華を食べたのに」
田村「そんなにすぐ減らないよね?」
安祐美「『ラーメン食べたいので、つきあってもらっていいですか?』と言われて、食べに行って。そうしたら2周目が始まったんですよね。同じルートで」
田村「同じルート?」
安祐美「で、2周目は結構真剣な話をしたんですよ。家族の話とか、今までやってきたことの話とか。『あ、変な人だけど、ちゃんと考えているんだ』と思って」
田村「いろいろ真剣に考えているんだな、と」
安祐美「それが終わったら『マジックバーに連れていきたい』と言われて」
田村「中華行って、ラーメン行って、マジックバー? 胸やけするなぁ」

大沢「お腹いっぱいだよ、もう(笑)」
田村「なんでマジックバーなの?」
公太横浜と言えば、マジックバーなんです
全員 (笑)
安祐美「で、3周目が始まるんですよ」
公太「これも同じルートで」
大沢「変えよう、ルート!」
安祐美「何周するんだろう?と思って。そんなことしてたら『責任は取れないけど、結婚を前提につきあってください』と言われたんです」
田村「急に!?」
矢花「くだらない話をして、真剣な話をして、マジックバーに行って、結婚を前提におつきあいをしてください……」
葦原「しかも『責任は取れないけど』って!」
田村「これ、何周目ぐらいから、その感情が出てきたんですか?」
公太「2周目ですね」
田村「人生の大切な話をしたときだ。だったら、マジックバーを経由する?」
葦原「ちょっとおしゃれなバーとか、横浜なら、景色がいいところに行きたくなりますよね」

公太「いや、違うんです。横浜はマジックバーなんです
全員 (笑)
田村「3周目のときに告白があって、それはどう受けたんですか?」
安祐美「それこそ『責任は取れないけど、結婚を前提に』って、言ってることが意味わからないじゃないですか」
田村「そうですね」
安祐美「最初に中華街でランチしていたときも、歴代の総理大臣の話をしてきたんですよ。『誰だと思う?』とか、クイズを出されて。それに答えられなかったら、『そんなのも知らないんですか?』みたいに、すごく馬鹿にしてくるし」
田村「うわぁ」
安祐美「……なんですけれど、(監督を任されて以降は)監督という立場だけが先に行ってて、私のことを叱ってくれる人が誰もいなくなっていたんですよね
大沢「そこか~」
安祐美「そのとき、そう言われたことが、私の中で昔の自分を思い出せたかのような、ちょっと心地よかったんです」
田村「なるほど」
安祐美「今まで出会ったことがない……、私の人生に、こんな人はいなかったんですよ。こんな変な人、自由っぽい人、よくわからない人。でも考えはしっかりしている。あ、私の視野を広げてくれるかな?と思いました
田村「そこが惹かれた部分ね」
安祐美「それこそ女子プロ野球ができた年に、『監督に』という話もあったので、そっちを選ぶこともできたけれど、私はそれを選ばなかった。そう考えたときに、やりたいと思ったことをすぐに行動に移してやってきた彼を、すごくうらやましく感じたんですよね。『もっと知りたいな、この人のことを』という思いは、正直ありました」

田村「公太さんが、固定観念に縛られないから」
大沢「自由だからね」
公太「そうかもしれないです……」
全員 (笑)

大沢「逆に公太さんは、なんで急に告白したんですか?」
公太「中学校のときに話が戻るんですけど、僕は3年生の夏まで、ずっと競馬のジョッキー、騎手になりたかったんですよ。でも、願書を出そうとしたときに、身長がグググッと伸びて」
田村「体が大きいと、なれないからね」
公太「それで中3の夏で、めちゃくちゃ大きな挫折をしまして。野球は続けていたので、高校でも野球をやるか、と。その3年後に、まさかのプロ入りしたという」
大沢「それもすごいことだよね」
公太「だから、本当は騎手になりたかったけれど野球をやって、その野球が終わった後にシドニーで英語の勉強をするとか、あっちゃこっちゃ行っているのに、彼女は野球一本でずっとブレずにいる。すごいな、僕にはまねできないなと思って、そこにいちばん惹かれました
田村「どっちもすごいんだけどね。思いついたからって語学留学にポンって行くのも、俺はすごいと思うけどね」
公太「でも、なんも考えてないんですよ、僕」
田村「(フォローしたのに)公太さん?」
公太「もう本能が赴くままに、『これやりたい、行こう!』『あれやりたい、行こう!』っていう感じでずっと生きています」
田村「……そうだと思ってた」

全員 (笑)


▶結婚>>1,000万円つぎ込んで

オーストラリアへ語学留学していたときに、公太さんはシドニーの和食レストランで働いていた。その店のシェフに才能を認められ、料理の道を志した彼は、帰国して、大好きなラーメンの店を開くことを決意する。

安祐美「半年ぶりに帰ってきて、ですよ。いきなり『ラーメン屋をやるわ!』って言われて。『えっ?』ってなりましたよ。それで(修業するために)アメリカに行くと言うんですよ」
田村「ラーメン屋さんをやるのに、アメリカに行くの?」
公太「アメリカに面白いラーメン屋さんがあるって聞いて、『ちょっと行ってくるわ!』って言って、そこで3週間みっちり修業して、日本に帰ってきて店をオープンしました」

葦原「3週間、なんですね」
田村「でもね、ラーメンのお仕事は、きわめるにはすごく時間がかかるけど、流れを覚えるのは3週間あれば大丈夫なんだよね」
公太「いや、それがそんなことなくて」
田村「そんなことないんかい! いま俺、フォロー体制に入ったのに!」
全員 (笑)
公太「右も左もわからなかったので、厨房機器を買って、内装工事をやって、気づいたら1,000万円かかっていたんですよ」
大沢「でも1,000万円使うって、女性としては『えっ?』と思いませんでしたか?」
安祐美「まあ、1,000万という金額は後々知りましたけど、『何とかするでしょ、この人なら』ぐらいの感覚でした。私も監督をやっていく中で、(公太さんに)助けられた部分があって。物事には表と裏があるから、野球でも表と裏、自分がピンチということは相手はチャンスなんだとか、そういう物事の考え方を変えさせてもらって、それですごく楽になったときもあったんですよね

公太「僕は22歳でプロ野球を戦力外になって、それは人生が一回終わったような瞬間だったと思うんですよ。球団から『あなたは、もう必要ありません』と言われるわけじゃないですか。それで人生をやり直すつもりで、1,000万も全部借金して始めたんですよ」
田村「自分の貯金からじゃないんだ! 表と裏だとしたら、大ピンチ」
大沢「ピンチしかないよ!」
公太「それでも(安祐美さんは)隣にいて、信じてついてきてくれたし、要は、彼女は肩書とかで人を見ないな、っていう」

田村「ああ、なるほど」
公太本当に中身を見てくれているなと思いました。もう借金がめっちゃあったとしても、『しょうがないっしょ!』みたいな感じで」
大沢「いやいやいや、それは怒ったほうがいい(笑)」
安祐美「知らなかったですからね、私。1,000万は」
全員 (笑)

田村「それでプロポーズは? ラーメン屋さんができてから?」
公太「店ができて1年ぐらい経ってからなんですけど、某テレビ局の番組の企画でプロポーズさせていただきまして」
大沢「そうだ、公開プロポーズでしたよね」
田村「店を作って1年経って、ある程度、めどが立つ状態にはなっていたのね。お客さんも来るようになって」
公太「そうです」
田村「(横で苦笑いしている安祐美さんを見て)え? そうではないの?」
安祐美「正確に言うと、半年ぐらいなんですけどね。2016年の11月の末にオープンして、プロポーズしてもらったのが2017年の8月でしたから」
公太「四捨五入すると1年なんだよ」
全員 (笑)
田村「四捨五入するの? 1年を」
大沢「おもしろいわ、公太さん」
田村「大丈夫? どんぶり勘定してない? だいたい儲かっているから、って……」
全員 (笑)
矢花「安祐美さんがうらやましいとおっしゃった、その気持ちがわかる一方で、全部はまねできないなと思ってしまいます(笑)。すぐ動くとしても、1,000万の借金は……」
大沢「無理だよね」
田村「でも、日本でも海外でもプロ野球選手になっているから、規格外っていうか、見ている部分が違ったりするんだろうね」
公太「そんなことないですよ」
田村「そうなの? もう、ほめりゃ全部反対に行くし(笑)」
大沢「フォローし損だよね(笑)」


▶現在>>あきれてほしい

交際から2年後の2017年に、萩本欽一さんをはじめ多くの人の祝福を受けながら2人は結婚。安祐美さんは結婚後も監督を続けてチームの指揮をとり、公太さんのお店も東京、茨城、千葉など5店舗に拡大。2022年6月には、第一子が誕生した。

田村「5店舗、すごいやん! 大沢さん、いかがですか?」
大沢「大丈夫ですか? ラーメン屋で行けます? また『ハンバーグ屋をやりたい』とか言い出すんじゃない?」
安祐美「そうなんですよ! ちょいちょい沖縄料理に興味があるだとか、いっぱい出てくるんです」
田村「だけど、それは封じないほうがいいと思うよ」
大沢「そうか、自由にね」
矢花「でも、シドニーのシェフの見込みは正しかったというか、結果的に今5店舗も構えられているし。だから、ちょっと沖縄料理も楽しみになってきました(笑)」
田村「お子さんが生まれて、やっぱり心境の変化とかありますか?」
安祐美「今まで感じたことのない、別の幸せを感じていて。6月に出産しましたけど、実はそれまでに2回流産していたこともあったので、本当に妊娠、出産って奇跡なんだな、と思っています」
大沢「そうだよねぇ」
葦原「最初の始まりが、こちらはもうドキドキだったんですけど、最後にこんなホッコリな話を聞けて。いやぁ……」
田村「ハッピーでしょ?」
葦原「はたから見てもハッピーですね」
田村「それなのに『なれそメモ』の『あきれてほしい』というのがすごいじゃない?」
安祐美「私は9歳から、もう20何年も野球をやってきて、いつまでも、許される間は野球に携わっていたいな、っていう気持ちがあるので。おばあちゃんになってもノックバットを振り回せたらいいなという思いもありますし、そういった意味で、息子とかにも『母ちゃん、まだやってるの? もう良くない?』って言われるぐらい」
田村「ああ、そっちのほうか」
安祐美「そうですそうです。あきれられるぐらい続けたいな、という思いと、『母ちゃんと父ちゃんって真逆なのに、なんでこんなに仲良くやれているの?』という意味で、あきれられたい」

田村「そうか、もう子ども目線の『なれそメモ』になっているんだ」
大沢「すばらしい」
田村「よかった。ちゃんと着地した(笑)。それは、公太さんも同じなの?」
公太「子どもができると、よく守りに入っちゃうというか、『家族が家族が』というふうに」
田村「なるよね」
公太「だから僕は、逆に、どんどんお店を出していきたい」
田村「うん、いいぞいいぞ!」
公太「店をどんどん増やしていって最終的には、夢だったジョッキーにはなれなかったけれど、馬主になりたいなと思って」

田村「馬主!? すげぇとこ着地したよ!」
全員 (笑)
田村「中学校のときに諦めた夢を、いろんな遠回りはしたけれど、馬主という形で」
公太「はい」
田村「でも馬主になったら、名前とかも決められるよね」
公太「もう決めているんです」
田村「いいですか? 聞かせてもらって」
公太「ハシレコウタロー!」
全員 (笑)
田村「いや、いい話が聞けましたよ。ただ、片岡さんが手綱をちゃんと引いておかないと、(公太さんが)“暴れ馬”になる可能性もあるからね」
安祐美「その言葉を、会う人会う人、皆さんから言われるんですよ」
田村「だから、しっかりジョッキーをやらないと」
安祐美「私が?」
田村「もう、馬だから(笑)」
全員 (笑)


▶▶2人にとって“超多様性”とは?

安祐美「好きなことに男女の壁はない、ですね」

「私は野球しかやってこなかったのですが、『女が野球なんて』と言われていた20何年前からすると、今は女子野球選手が本当にたくさんいて、環境も整ってきていることをすごくうれしく思います。だから何かをやるということに対して、男女とか世代とかに壁はなくて、ひとりの人間として向き合っていけば、必ず道は開けてくる。目の前に道がなくても、自分の後ろに道はできているので、やっていけば必ずいいことがあるんじゃないかと思っています」

公太「僕はとりあえずやってみるというのが、すごく大事だと思います」

「『これはダメそうだな』って考えちゃうと、『やらない』という選択肢をとってしまいがちだと思うんですけれど、僕はとりあえずやってみて、まずはダメなところを見つけようと思っています。そのダメなことが起きたときにどうするのか考えることが、人生でいちばん楽しいことなんじゃないかな、と言うふうに最近気づきました」


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