「ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、米田歩役・仲里依紗さん!
――歩と結の努力で、孝雄(緒形直人)が靴のカスタムを引き受けてくれました。ようやく孝雄も前に進めたのではないでしょうか。
最初、歩は真紀ちゃん(大島美優)のお墓参りに行くのも怖くて。お墓参りに行っちゃうと、真紀ちゃんが本当にいなくなっちゃうような気がしていたんでしょうね。なかなか現実を受け入れられないというか。だから、同じ場所で動けなくなっていたんだけど、真紀ちゃんがなりたかったギャルになることで、自分を立て直して。そういう意味では、歩は精神的に強いなって思います。
時間はかかったんですけど、糸島で家族と過ごしたことで、真紀ちゃんの死を受け入れることができた。だから、次は、自分と同じように立ち止まっている真紀ちゃんのお父さんをサポートしたいって思ったんだと思います。
――ただ、最初は孝雄に頑なに拒否されてしまいます。
歩は孝雄さんをなんとかしたいって思っているんだけど、歩は真紀ちゃんと一番仲がよかったから、孝雄さんからしたら、歩自身がトラウマみたいな存在でもある。だから、なかなか近づけなくて。ただ、歩は、これは自分がやらなきゃいけないことだっていう意識があったので、何度拒否されても、負けずに行くんです。
――何度拒否されても諦めなかったのは、やっぱり真紀への思いがあったからなのでしょうか。
歩としては、このままじゃ真紀ちゃんだけでなく自分も我慢できないから、自分のためってことでもあるんだと思うんです。でも、こんな状態のお父さんで一生いられたら、真紀ちゃんもすごく嫌だろうなっていう思いもあって。あんなにお酒を飲んだくれて、仕事もしないお父さんを見たくないだろうし。
しかも、自分のせいで、大事な人たちが前を向けずにいるっていうのは、真紀ちゃんが自分を責めてしまうような気がして。だから、歩は、孝雄さんが前に進むきっかけを作るのが自分の仕事だと思っていたんだと思います。孝雄さんが予想以上にすごいかわいいギャルの靴を作ってくれたので、真紀ちゃんもきっと安心したんじゃないかな。