ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、米田永吉役・松平健さん!


――第23回で、救援物資を持って神戸の避難所に現れた永吉でしたが、幼い結(磯村アメリ)と歩(高松咲希)を糸島に引き取る決断をした時はどういう思いだったのでしょうか。

結はまだ小さいので、状況をよくわかっていないところもあったのですが、歩は一番仲のよかった友達の死に直面し、心に大きな傷を負っていて。まわりが何をしてあげても、まったく気持ちが動かなくなってしまっていたんですよね。だから、永吉はなんとしても歩の環境を変えてあげないといけないっていう思いで、糸島に連れて帰ったんだと思います。

震災後、たくさんの思い出がある被災地にこのまま留まるよりも、糸島の豊かな自然の中で、人の温かさに触れることで、少しでも傷を癒やすことができたらと思ったのではないでしょうか。

――その決断をする際にも、やっぱり永吉と息子である聖人(北村有起哉)とはぶつかり合ってしまいます。

息子は息子で葛藤を抱えていることも、永吉はわかっていると思うんです。息子は神戸に残って、神戸のみんなを、商店街のみんなを手助けしたいっていう思いがあるんですけど、だからといって、永吉からしたら、その思いに家族まで巻き込んでしまってはダメだろうって。息子の気持ちもわかるけど、まずは家族のことを考えなさいっていうことで、そこは譲れなかったんじゃないかなと思います。

――避難所のシーンでは、どういう気持ちで撮影に臨まれましたか?

そうですね。阪神・淡路大震災の写真やいろいろな資料を拝見させていただいてから撮影に入ったんですけど、やっぱり、被災した方々の気持ちを私たちが再現することは難しさがあると感じました。でも、撮影をしたキャストもスタッフもみんな、そういう背景があったということは意識しながら、気持ちを込めて演じたので、見ている方にもそういう思いが通じるといいなと思っています。