ドラマの出演者やスタッフが「この回のあの人、あのシーン」について語ったコメントを不定期で配信するコーナー。今回は、四ツ木翔也役・佐野勇斗さん!


――野球を諦めるという大きな挫折から立ち直って、翔也は総務部としての仕事にも前向きに取り組むようになります。翔也の心の動きはどう捉えていますか?

翔也も最初はやっぱり、心ここにあらずっていう状態で仕事をしていたと思います。でも、炊飯器のモニターを100人集めるという大変な仕事を任されて、初めて仕事に無我夢中で取り組みました。その結果、自分の仕事で人から感謝されたというのがすごく大きな経験になったんじゃないかな。

野球ではなく、仕事の上で初めてやりがいや自信を感じたというか。そこから、少し僕自身も翔也の芝居を変えているんですよ。

――どのように演技を変化させていったのですか?

本当に微妙な変化なのですが、少し心の曇りを減らして演じています。この感覚を言葉で伝えるのは難しいのですが、気持ちがぐになることで、目の焦点がしっかりと合うというか、目の力が強くなって、目線がはっきりと動くというか。

――1月になり、作品としては折り返し地点を過ぎました。朝ドラ出演はデビューからの目標だったそうですが、佐野さんにとって「おむすび」はどんな作品になりそうですか?

僕はアイドル活動をしていることもあって、これまでは割と同年代や年下のファンの方が多かったんです。でも、球場で「おむすび」の撮影をしている時に、「佐野くんがいるらしい」とどこかで耳にしたのか、僕のおばあちゃんくらいの世代の女性が30人くらい集まってくださって、すごくうれしかったですね。それなのに、僕が目の前を通っても、誰にも気付かれなかったんですけど(笑)。

そういう幅広い年齢の方々に知ってもらえたのは、朝ドラならではというか、今までにない経験ですね。

翔也もそうでしたが、人生において誰しもが夢をかなえることができるわけではないですよね。ただ、夢に向けて努力をしなければ、それが叶う可能性もゼロになってしまいます。僕が朝ドラ出演という夢を叶えて、翔也を演じることができたのは、自分の中で本当に大きな自信につながっていくと思います。

これから後輩や夢を追いかけようとしている人たちに、夢に向けて努力する大切さを伝えていけたらいいなと思うようになりました。