新・介護百人一首

このひとも
だれかの大事な
恋人として
若き日を
生きたのだろう

山梨県山本栞 26歳)

愛知県 鴫原ゆみ

詞書

利用者さんから聞くお話の内容は、圧倒的に今、身のまわりにいるご家族のことが多いです。でも、その人がこれまで生きてきた中には幼少期も青年期もあったわけで、恋愛もしたと思います。そういった時期のことに想いをせました。

感想コメントをいただきました

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

誰もがみな一度限りの人生をいきている。そのすべてを見ることはできなくても想像することはできる。自分にはわからない、その人の人生のさまざまなありようを思い浮かべることは、相手に対する最大のリスペクトの持ち方だと言えるでしょう。目の前に見えているものだけがすべてではない。いろいろなことが伏流になり、やがて顔をのぞかせる。仕事の本質がそこにあるように思います。

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究。文芸評論、美術評論などにも取り組む。NHKでは、〈プロフェッショナル 仕事の流儀〉キャスターほか、多くの番組に出演。