新・介護百人一首

「あんたんときは
美味しかねぇ」
食事
介助する手に
喜び走る

熊本県タパ マガル ヤム クマリ ネパール29歳)

大分県 吉﨑ゆみ

詞書

食事介助は難しいです。中には食事を拒否する方もいらっしゃいます。それでも、真心をこめて介助していた時、頂いた言葉です。

感想コメントをいただきました

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

食事をすることのよろこびは、人生におけるかけがえのない原動力です。人工知能が発達する世の中だからこそ、人間の感覚、感性が大切になります。食べることのたのしみは、人とのふれあいによって何倍にも増します。向き合ってひととつながるからこそおいしい食事がいただけること、そして、心が弾むこと。そのようなよろこびを感じていただくことが、仕事のやりがいになること。さまざまな発見がつまった、すばらしい歌です。

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究。文芸評論、美術評論などにも取り組む。NHKでは、〈プロフェッショナル 仕事の流儀〉キャスターほか、多くの番組に出演。