新・介護百人一首

車イス
段差を越えて
室内へ
持ち上げる度に
軽くなる貴方あなた

宮崎県山内雄貴 31歳)

愛知県 和久奈都

詞書

車イスに乗っている人の段差越えをお手伝いする度に、少しずつ軽くなっていく貴方あなたを心配する心情。

感想コメントをいただきました

asaco(あさこ)

まだわが子が赤ちゃんだったころ、すやすやと眠る彼女を乗せてそっとベビーカーを押したあの日。起こさないように段差に気を配り、エレベーターがなければ1人でベビーカーを抱えて階段移動。そのずっしりと体に堪える重みは、日々の育児ストレスも相まって当時のわたしをよく惨めなきもちにさせたものでした。でも、その「重み」は一方でわが子の成長の証し。大切な人が“軽くなる”のがどれほど切なく悲しいことなのか、今のわたしには計り知れません。

asaco(あさこ)

モデル・1978年静岡県浜松市生まれ。2男2女のママ(14歳、12歳、8歳、4歳)。モデルとして雑誌、webやCMなどに出演。夫婦で手がけるフードユニットkatarite(語り手)や、子育てにまつわるコラム執筆など多方面で活動中。2022年よりNPO法人neomuraの広報にも携わる。