古今東西の名著を、25分×4回=100分で読み解く教養番組、Eテレ「100分de名著」。8月の放送は「for ティーンズ」と題し、10代に向けて4つの名著を届ける夏休みのスペシャル企画。その見どころを秋満吉彦シニア・プロデューサーに伺いました。司会・加藤シゲアキさんのインタビュー記事はこちら

「100分de名著 for ティーンズ」Eテレ 午後10:25
8/1(月)放送 第1回:トルストイ『人は何で生きるか』
再放送 8/8(月) Eテレ 午後1:05~1:30
8/8(月)放送 第2回:ポール・ナース『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』
8/15(月)放送 第3回:バルファキス『父が娘に語る経済の話。』
8/22(月)放送 第4回:『竹取物語』
司会:加藤シゲアキ、安部みちこアナウンサー
生徒役ゲスト:鈴木福(第1,2回)、本田望結(第3,4回)

『鬼滅の刃』声優が名朗読!

今回、名著の朗読を担当するのが、声優の下野紘さんと花澤香菜さんです。お二人ともアニメ『鬼滅の刃』で主要キャラクターの声を担当されています。

下野紘さん
花澤香菜さん

実は、私も『鬼滅の刃』ファンでして(笑)。ファンとしては、我妻善逸(声・下野紘)、甘露寺蜜璃(声・花澤香菜)がよぎりますが、この番組ではアニメとはまた違ったすばらしい朗読を披露してくださっています。「お二人の朗読を聞きたい!」という方にもぜひ見ていただきたいです。

また司会は、多方面で活躍をされている加藤シゲアキさん。

若者を題材にした小説を書かれている加藤さんは、10代の感性を共有できる方だと改めて感じました。ご自身の体験と名著を重ねたお話には、10代の心に響くものがあるのでは。できたら今後も、加藤さんを司会に、「for ティーンズ」をシリーズ化していければと思っています。

さらに、生徒役ゲストの鈴木福くんと本田望結さんの存在も大きいですね。

お二人のこれまでの体験の厚みを、言葉の節々に感じます。おそらく視聴者の方も、お二人の感受性に驚かれると思いますので、ぜひコメントにも注目していただければと思います。


“世界は広い”と感じる名著

今回のシリーズは、「かけがえのない命の大切さ」をお伝えすることができたらと思い、作品を選びました。4つの名著は一見バラバラなテーマのように見えて、実はどれも生きる大切さにも言及しています。

夏休み明けに自ら命を絶ってしまわれる10代の方が多いというニュースにはすごく心を痛めます。どこまで10代の力になれるか分かりませんが、番組を通して、一人ひとりがかけがえのない存在だということをお伝えしたい——。

特に『竹取物語』の放送回では、物語の世界に逃げても良いんだよということをお伝えしています。学校や家庭という狭い世界の中で生きづらさを感じている人でも、物語や文学の世界に触れることで、世界は広いということを感じてもらえるのではないでしょうか。

どれも「この狭い世界だけが全部じゃない」と感じていただける名著ばかりです。10代の方をはじめ、ぜひ多くの方々に読んでいただけたらうれしいです。