匿名で発信できる(と、多くの人が勘違いしている)SNSでは、面と向かっては言えないような誹謗中傷も安易に発信してしまいがち。ネットいじめやネット荒らしなど深刻な問題を引き起こしてしまうケースも少なくありません。
そんなネット上での“心のタガの外れ具合”など、感情の制御が効かない状態をチェックできるサイトが誕生しました!
NHK財団が主催する「インフォメーション・ヘルスAWARD2024」でグランプリを受賞したアイデアを形にしたトライアル版です。どんなものなのか、是非、皆さんもお試しください!
ネットをしている自分の気分がわかったら……その名も「心組成計」
「インフォメーション・ヘルスAWARD」は、ネット空間の健全化を目的に、NHK財団が“情報的健康”のための具体的なアイデアを一般の方から募集。その中からすぐれた作品を表彰しつつ、社会での実用化(社会実装)に向けて支援を行っているものです(第2回の募集は9月30日が締め切りです)。
その第1回、「インフォメーション・ヘルスAWARD2024」でグランプリを受賞したのは大阪大学大学院で社会心理学を学ぶ温 若寒さんの「心組成計」。
発想の基になったのは、体脂肪率や筋肉量、骨量などを計測する「体組成計」です。体の構成要素を測り、そのデータから自分の体の状態を把握し健康維持や体力向上につなげるものですね。
一方、「心組成計」は、いくつかの設問に回答することで、ネット環境での自身の「心のあり様」を捉え、気持ちの偏りを知ることができる、というものです(詳しくはネットしてる時って羽目を外しやすくなりませんか? インフォメーション・ヘルスAWARD グランプリ受賞 温若寒さんインタビュー | ステラnet (steranet.jp))。
この心組成計、大阪大学大学院人間科学研究科とNHK財団が共同で実用化に取り組み、トライアル版が体験できるようになりました。
「心組成計トライアル版」※ステラnetを離れます
質問は全部で12個。例えば、
「ネット上で何をしても現実の自分のイメージには影響しにくい」
「現実社会よりネット上の方が、自分の期待に沿う人に多く出会える」
こうした問いに、「全くそう思わない」「そう思う」「非常にそう思う」など6つの選択肢から答えを1つ選びます。最後は合計スコアを基に、3つのグラフ上に回答者の心の状態が★印で示されます(下図参照)。
3つのグラフは、
社会のルール:「ネットは社会の制約に縛られない場所だ」と認識している程度
対人距離:「ネット上では現実社会よりも人との距離が縮まり互いに分かり合える」と認識している程度
関係の維持:「ネット上の人間関係には縛られなくてよい」と認識している程度
スコアが高くなる、つまり★印が右に行けば行くほど、回答者はネット上で“心のタガ”が外れやすくなっているかも、心のバランスを欠いているかもしれないよ、ということになります。
心組成計トライアル版、是非お試しください!
インターネットは一人でアクセスする孤独な世界。偏った思考に陥っても誰にも指摘されず先鋭化してしまいがちです。この心組成計でチェックして、ネットとの関わり方を考えるきっかけにしてください。
また、開発した大阪大学大学院人間科学研究科とNHK財団では、できるだけ多くの人にこのトライアル版にご参加いただき、心組成計の研究・分析の精度を高めていきたいと考えています。皆さんのご協力をお願いいたします。
トライアル版では、登録など面倒な手続きは不要です。お気軽にお試しください「心組成計トライアル版」※ステラnetを離れます
NHK財団ではこれからもインフォメーション・ヘルス=ネットの世界など情報空間を健全に保つための方策について、皆さんと共に考え、積極的に発信していきます。
(NHK財団 インフォメーション・ヘルスAWARD事務局)
インフォメーション・ヘルスAWARDに関しては公式サイトをご覧ください。
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