3月8日に、東京・NHKホールで開催されたドラマ10「大奥」ファンミーティング。冨永愛(吉宗役)、堀田真由(家光役)、仲里依紗(綱吉役)が集い、視聴者の皆さんとドラマを振り返り、熱い思いを分かち合った。
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そのイベント内で、3人に原作のよしながふみ、脚本の森下佳子からサプライズメッセージが到着! そのメッセージを特別に紹介します!
徳川吉宗役 冨永愛へのメッセージ
よしながふみ
冨永愛さん演じる吉宗は、ニコっと笑った時や不本意な事を言われてちょっとむくれた時の口元が本当にたまらなくチャーミングで、すくっと立ちあがった時の威厳あるたたずまいとのギャップも相まって、これはもう大奥の男達はみんな上様を好きになってしまうなあと思いました。
水野も杉下も何なら最後には藤波でさえちょっと上様を好きだったんじゃないでしょうか?
冨永さん、まだこの時点で9話、10話をみていませんので人生後半の吉宗公も本当に楽しみにしております。
最高の八代将軍吉宗をありがとうございました。
森下佳子
この企画が華やかで勢いのある幕開けを迎えられたのは、冨永さんあってのことだと思っています。某バラエティーでのご発言を知り、あぁ、この役はきっとこの方のためにあるのだろう、と、何かに囁かれるような感覚がありました。そして、それは間違いではなかった、いや、100%正しかった!と、私、今、少しばかり鼻が高いです。
冨永さんの圧倒的な存在感で演じられる吉宗は、ご自身の来し方とも相まって、多くの女性に勇気と希望を与えたと思います。私にとっても冨永さんの存在は光です。ルーズソックス履いて、世界に殴り込みかけた話、ラーメン年に二回しか食べない話も、もう、めっちゃ好きです。ただのファンですね、これじゃ(笑)。モデルのお仕事もお忙しいとは存じますが、また芝居の世界にもいらしてください。心から、殿、大奥にいらしてくださって、ありがとうございました!
徳川家光役 堀田真由へのメッセージ
よしながふみ
初めて有功の前に姿を現した時「うわっ 少年ぽくてものすごく可愛い!」と思ったのも束の間、扇子で有功をめった打ちにする気性の激しさを見せられて、そこから1話ごとに脱皮するかの如く少女から母となり、身代わりの将軍から真に国を治める統治者となり、そしてまた最期には少女の顔に戻って愛する有功の腕の中で息を引き取るまで、もう一瞬も目が離せませんでした。
堀田真由さん、この上ない難役をこれまたこの上なく魅力的につくり上げて下さって、本当にありがとうございました。
森下佳子
耳にスッと入ってくる声となごやかな笑顔。声と笑顔って人に印象を与える上で非常に強いものがあって、堀田さんはとても資質に恵まれた方だと存じておりました。けれど、その恵まれた資質が、この極めて情緒不安定な家光公という役とどう溶け合うのか、私の想像力不足もあり、つかみかねるところもありました。
でも、ある日、さる方から「堀田真由は飢えている」のだと聞きました。なんですと? こんなかわいい顔をして、ハングリーとは! その一言で役目とアイデンティティの乖離した家光、と、堀田さんという存在がピタッと重なったのでした。
それからはもうただただ出来上がりを楽しみに待っていて、登場した時には見事に己を持て余した悲しき少女であり暴君。これはいけると1人ほくそ笑んだのでした。これから先も色んな堀田さんを見たいと思ってます。上様、ありがとうございました!
徳川綱吉役 仲里依紗へのメッセージ
よしながふみ
御鈴廊下の杉戸が開いて、そこに艶然と微笑む綱吉が現れた瞬間、その華やかさに一気に絢爛たる元禄時代に連れていかれました。
権力と美貌と知性を兼ね備えた傲慢な万能感から一人娘を亡くした後の深い絶望まで、仲里依紗さんが演じると不思議と老いさらばえた綱吉さえ闇夜に浮かぶ赤い月のような抗いがたい魅力にあふれていました。そして同時に仲さんは綱吉を女性ならばどこか身につまされる部分があるような深い共感を誘う人物にもつくり上げてくださいました。
仲さん、素晴らしい綱吉でした。ありがとうございました。
森下佳子
仲さんとは実は『昔話法廷・桃太郎』というドラマでご一緒したことがありました。その時は「殺された鬼の奥さん」を演じていただきまして、全身真っ赤に塗ったコスプレ状態なのに、迫真すぎて悲しすぎて誰1人クスリともできないというすごいモノを見せていただきました。でも企画の意図としてはそれは激しく正しくて。こちら側の予想を超える正確な角度で豪速球を投げ込んでくる。そういう強さが仲さんのお芝居にはあるなぁと思っていました。
綱吉というのはいろんな側面がある人物で、心情としても複雑で、私自身がセリフとト書きで伝え切るのは難しい存在でした。なので、仲さんが来てくださったのはとても頼もしくて。今回は台本で示唆しきれなかった表情、感情、「そうそうこれだっ!」てものを、画面で本当にたくさん見せていただきました。将軍様、まことにありがとうございました!