新・介護百人一首

初めての
食事介助は
手が震え
なかなか口に
たどり着かない

岩手県澤口茉那 19歳)

大分県 吉﨑ゆみ
大阪府 ペンネーム 葉月

詞書

初めての食事介助を行って、誤嚥ごえんがないように様子の観察を行う等、緊張と不安で手が震えて上手く手が動かなかったことを表しました。

感想コメントをいただきました

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

初めてのことにチャンレジするとき、脳は緊張すると同時にさまざまなことを学びます。少しからだが硬くなるくらいのその状況の中で、自分が大きく変わり、新しい自分を育むことができるのです。ましてや、相手がいることで、緊張の度合いも増しますが、それだけ、学ぶよろこび、自分がのびる実感も充実したものになります。その初々しい気持ちが伝わってくる歌ですね。たくさんの学びがここから始まります。

茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)

1962年、東京生まれ。東京大学理学部、法学部卒業後、同大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究。文芸評論、美術評論などにも取り組む。NHKでは、〈プロフェッショナル 仕事の流儀〉キャスターほか、多くの番組に出演。