新・介護百人一首

摘便の
プロは俺よと
笑むつま
背中で謝する
午前二時過ぎ

山形県押切 圭子 58歳)

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詞書

四肢まひの私は、排便を人の手による摘便で行っています。便意は時を選ばず深夜に生じることもあり、熟睡している夫を起こすこともしばしばあります。眠い目をこすりながらもベッド上で横になる私の衣服を脱がせて摘便してくれる夫に、申し訳なさと感謝を覚えます。