○MC:田村淳
○ゲスト:大沢あかね、菅田琳寧(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)、シャラ ラジマ

○ナレーター:水瀬いのり

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全日本チャンピオンに3度輝いた、社交ダンス界のクイーン、塚田真美さん。彼女のお相手は、塚田ペアと常にトップの座を争い、世界大会第3位の実績も持つライバルペアのダンサー、金光しんすけさん。ダンスフロアでは完全に敵同士だったというライバルの2人が、どうしてカップルに?

こちらは2人の「なれそめ」を語るのに欠かせない、「なれそメモ」! 


▶出会い>>親友の彼女なんだけど…

実は、金光進陪さんは、塚田真美さんのダンスパートナーである増田大介さんの親友。増田さんが当時10代だった真美さんと新たにペアを組むことになり、そのときに初めて真美さんを紹介されたという。

田村「出会ったとき、ちょっと気になったりはしたんですか?」
進陪「いや、だいぶ年下でしたし、(増田さんが)ずいぶん若い子と、ギャルみたいな子と組んだな、と」
真美「そのとき私はアマチュアで、増田さんと組むときにプロになったんですけれど、(進陪さんを)プロの方、すごい人みたいな感じて見ていたので
田村「じゃあ、恋愛感情はなし?」
真美「なかったです」
田村「真美さんは、増田さんとはどうだったんですか?」

真美「組んでからは、やはり生活をともにしたり、大会に向けて一緒に頑張っていくうちに、そういうお付き合いをするようになって」
田村「えーっ!? そうなの?」
進陪「競技ダンス、社交ダンスをペアでやっている人は1回は……」
真美「そういう関係になることが多いですね」
進陪「私も当時、私のペアの方と付き合っていましたからね」
田村「そうなんかい!」
全員 (笑)
進陪「踊っていると、距離が近いじゃないですか。それで、だんだん勘違いしちゃうんですよ
菅田「めちゃめちゃ赤裸々!」


▶交際>>2人だけじゃなくて

出会ったときは、それぞれ別の相手と交際していた進陪さんと真美さん。そんな2人の関係が接近するようになったのは、それぞれのペアが同時期に行ったイギリス留学や、海外遠征。その際に、日本人ダンサー同士で食事に行くなどの交流を重ねたという。

菅田「何がきっかけで?」
真美「みんなで集まって食事しているときに、彼の行動するペースがすごく自分に合うなという印象を受けて
進陪「仲の良い同世代のグループで行動するんですよね。そうすると、だいたい(真美さんが)横にいるんですよ」
シャラ「えっ、ロマンス! じゃあ、先に仕掛けたのは真美さんって感じなんですか?」

真美「そうなりますね」
シャラ「わー、カワイイ!」
田村「進陪さん的には、どうなんですか? (恋心が)芽生え始めたのは」
進陪「別の友人の結婚式の2次会の帰りだったかな。例のごとく、隣を歩いていたんですよね。みんなが角を曲がりだした“ラスト角”ぐらいのところで、急にガーッと(抱きついて)きて」
田村「真美さん、情熱的ですね! まだお付き合いは……」
進陪「いや、そのときは、お互いにもうフリーだったので」
田村「(それぞれのパートナーとの交際は)終わっていたんですね。じゃあ、終わったという話を聞いておかないと!」
シャラ「時系列が大事!(笑)」
真美自分の交際も終わっているし、進陪さんも今フリーだという情報を得ていたので、これはトライしておかないと後で後悔するかもしれない、と思って。ちょっと挑戦してみました」

田村「それまでは意識してなかったんですよね、進陪さんは」
進陪「全く。ゼロですね。なので、いったん持ち帰って」
田村「企業がよくやるやつだ。持ち帰って、だいたいはうまくいかないという(笑)」
進陪「でも、持ち帰ったんですけれど、よく考えたら、めちゃめちゃかわいいじゃないですか。たぶん、ここから先(こんなことは)ないな、と思って」

大沢「ふふふ。ねぇ、もう少女漫画」
田村「ちょっとわかんないんですけど、ご法度になるんですか? ライバル同士のお付き合いというのは」
真美「(社交ダンスの世界では、ファンが競技ペアを応援するために)大会の場とか、仕事で一緒になるときには、仲良くしているところを見られちゃいけないと思って」
進陪「絶対に、そう見えないようにしないといけない。これが変な話、下のクラスだったら“若気の至り”なんですけれど、もう我々は日本を代表する選手同士だったので」
シャラ「ファンが応援する気持ちを考えると……」
進陪「そこが、いちばん大きいですね」

こうして交際を始めた2人だが、そのころ真美さんは、ダンスパートナーである増田さんと一緒に暮らしていた。そんな真美さんたちに、進陪さんは自分が借りた家が広かったこともあり、なんと3人での共同生活を持ちかける——。

シャラ「え、2人で住むんじゃなくて?」
真美「当時、私は増田さんと一緒に住んでいたんですよ。ダンスパートナーとしては割とよくあることで、やはりレッスン代金とか遠征費用とかすごくお金がかかってくるので、切り詰められるところはどんどん切り詰めようということで、一緒に住んで家賃を節約とかは、ダンスのペア同士だとあることなんですね」
田村「でも元カレでしょ? 元カレと一緒に暮らしていたってことですよね」
真美「そうです、元カレです」
進陪「それで私のところに2人が来たら、家賃が浮くし、会う時間も増えるし、一石二鳥だな、と」

田村「3人で暮らすことで、何か不協和音が発生したってことはない?」
進陪「どちらかと言うと、すごくプラスがあって、お互い切り詰めて生活していたりすると、結構ストレスも溜まったりするじゃないですか。プライベートでぶつかりそうなところを、彼がいることでうまく緩衝してくれて」
田村「へぇ~」
進陪「彼らがギスギスしているときに、私がいることで緩衝になれたりとか。3人というのがうまくいった秘けつなのかなって、今でも思っています
真美「ライバルというか、そういう目線でも見ているので、(それぞれの練習時間の長さなどで)刺激がすごくあったので。そのおかげで、3人一緒に暮らし始めてから、それぞれが全日本チャンピオンをとることができました


▶結婚>>両親にも口止めを

3人での暮らしが続く中、転機が訪れたのは2018年。進陪さんは13年間組んでいたパートナーとのペアを解消し、一時は引退を決意する。しかし、胸の中にくすぶる思いを抱えていた彼は、ロサンゼルスを拠点にして世界的に活躍していたウクライナ人選手を紹介されたことから、彼女とペアを組むことに。それは、1年間の半分以上、彼女とロサンゼルスで活動することを意味していた。そのとき進陪さんと真美さんが選んだのは、結婚という道だった。

進陪「ただ付き合っているだけだと不安になるんじゃないかということで、きちんと籍を入れて、家族という形を作ってから行くべきなのかな、と
シャラ「そのプロポーズっていうのは、ロサンゼルスに行くことが決まった後? 真美さんは、ちょっと不安にならなかったんですか?」
真美「女性としては、ちょっと心配だなという気持ちもあったんですけれど、同じダンサーとして、くすぶっていた気持ちもわかるし、世界で活躍されていた人と組むというのは光栄なことなので、それはもう応援しなきゃ!というふうになりました

とはいえ、2人が結婚したことは、周囲には極秘。両親にさえも、口止めをしていた。

田村「両親にも口止めって、ここが謎なんですけれど」
真美「私の両親が大会に来て応援をして、いろんな選手と会話する親だったので、そういう雰囲気を出してしまうと、そこから結婚したことがバレてしまうので」
進陪「必ず来てくれるんですよ。それまで『金光先生』だったのに、急に『進陪』っていうのはおかしいじゃないですか」
田村「どのくらいの期間、口止めが続いたんですか?」
真美「(結婚を)公表するまでなので、交際から言うと丸9年くらい
大沢「9年!? よく頑張りましたね、お父さん、お母さん」
真美「協力してもらいました」
進陪「お父さんに言われたのが、『息子もチャンピオンになったし、娘もチャンピオンになったし、私には2人もチャンピオンの子どもがいるんだ』と。それはすごくうれしい言葉でした」


▶現在>>金庫いっぱいの宝物

その後、増田さんとの3人暮らしを解消した2人は、2022年1月、プロの競技生活からの引退を機に、結婚を公表。真美さんは現在も増田さんとペアを組み、進陪さんは別のパートナーとペアを組んで、ショーに出演している。また、それぞれ別にダンス教室を開いて、後進の指導にもあたっている。

大沢「別のダンス教室じゃなきゃいけないんですか? 2人で経営したほうが……」
進陪「そのペアにファンがつくのと一緒で、ペアで教室を出すっていう流れが、社交ダンス業界にあって」
田村「なるほど。で、お互いのダンスを極めていこう、と」
進陪「だから今は、弟子同士の戦いですね」
大沢「やっぱり、ずっとライバルでいたいですか?」

進陪「はい。いい意味で、お互いに高め合うようなライバル関係ですね。お互いに『こうしたほうがいいんじゃない?』と言い合えるような、いい関係かなと思っています」
真美「べチャッとしすぎないほうが新鮮さも保てますし、今まで自分が現役で頑張ってきたのと同じように、後進の育成とかスタジオの運営とか、気持ちが入っていくんじゃないかなと思います」

田村「なれそメモの『金庫いっぱいの宝物』って?」
進陪「お互い忙しくて、あまり何もしていないんですけれど、毎年、誕生日に手紙をくれるんです」
シャラ「真美さんが?」
進陪「はい。誕生日やクリスマスに、本当にちょっとした手紙なんですけれど、それをこっそり金庫に保管しているという」
田村「(真美さんに)金庫に貯めていると知っていました?」
真美「全く知らなかったです」
大沢「これ、カワイイ! 『妻として頼りないかもしれませんが、よろしくお願いします」だって。私、こんなこと言ったことない!」
全員 (笑)
真美「まあ、私がふだんはなかなか言葉にして伝えられないタイプなので、手紙で伝えたいと思って書いたりとか。で、実はきょうも、こういう機会なので手紙を書いてきたんですけれど」
進陪「えっ、何それ!」
大沢「読もう!」
田村「うわぁ、今までこの番組でサプライズはなかったんですけれど」

進陪さんの家族への愛情に対する感謝の気持ちと、彼の活動を心から応援し、これからも全力で支えていきたいという思いにあふれた手紙を朗読する真美さん。「おうちに帰ったら進陪さんがいて、家族がいて、それが私の人生でいちばんの宝物です。これからも一緒に仲良く笑って暮らしていきましょう」とつづられた手紙が読み終えられたとき、進陪さんの目から涙があふれてきた。

進陪「(目頭を押さえて)いやいやいや……」
田村「これはうれしいよね」
菅田「手紙ってステキです。本当に」
大沢「一緒にいることが当たり前のパートナーだからこそ、こうして言葉にして愛を伝えるっていうのはすごく大事だなって思いました」
菅田「ライバルとして、お互いをリスペクトしているって、すばらしい関係性ですね」


▶▶2人にとって“超多様性”とは?

真美ライバルは人生を輝かせるということ

真美「いい距離感を保ちつつ、ライバル関係を保っていけたらいいのかな、なんて思います」

進陪恋愛にルールはない

進陪「(自分たちの恋は)社交ダンス業界では確かにタブーだったかもしれないのですが、いろんな恋愛のスタイルがあって、その人の心の在り様みたいなものを大切にできる社会、そういう文化みたいなものを、これから私たちが見本になって作っていけたらと思っています」


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