千葉県の流通経済大学で7月18日(月・祝)に行われたイベント「海の日アートフェス〜みんなでつながる・あなたとつながる〜」(イベントの詳細はこちら)。そのステージショーでは、記録用に8Kカメラで撮影収録を行っていました。なんとその8K映像は、8K未対応のモニターやテレビ、PCなどでも見ることができるというのです! その真相を探るべく、今回の撮影に携わったNHKエンジニアリングシステムの担当者に伺いました。


——8K映像が8K未対応機器でも見られると聞きました。今回どういうことを行っているのですか?

今回は、収録した8K映像をネット配信し、8K未対応機器でも見られるようにするためのトライアルを行いました。具体的には、視聴者が見たい映像を拡大できるようにするテストを行っています。

——それは、映像を拡大して見ることができるということですか?

はい。今回でいうとステージショー全体のみを撮影していて、画角を変えたり、アップにしたりはしていません。撮影は8Kカメラと8K対応の収録機を使っていますが、それ以外は通常の2K撮影と同じです。

8Kカメラ
8K対応の収録機

その撮影した映像を、視聴者の方が見たい箇所を指定して拡大して見られるようにしています。たとえば、お気に入りの演者を拡大して見ることが簡単にできるんですよ。

写真上は全体映像で、写真下は見たい箇所を指定して拡大した映像。タブレットでも8K映像を楽しむことができるのだ。

——すごいですね! アプリなどをダウンロードする必要はあるのでしょうか?

こういった場合、専用のアプリを使うことが多いのですが、今回は通常のブラウザで見られるようにしています。アプリやプレイヤーをダウンロードする必要はありません。そういった手間をかけずに、8K映像を多くの人に体感いただきたいと思っています。

——実用化されるのが待ち遠しいです。8K映像の一番の魅力はどこでしょうか?

ずばり、細部まで高い解像度で捉えられることだと思います。ですから、画質を落とすことなく、映像を拡大することができるんです。

8K配信は、世界的にもYouTubeで一部やっているくらいで、ほとんどの人が8K映像を見られる環境ではありません。今回のトライアルは、通常のPCやスマホ、タブレットなどでも8K映像を見てほしいという思いで進めています。実用化に向け、今後もテストを重ねていきたいと思います。

当日は、ステージショー終了後に収録した映像を8Kモニターで上映。その高精細な映像に来場者も思わず足を止めるほど。

正直、8K映像に触れるのはまだまだ先のことだと思っていましたが、実用化に向けたトライアルが進んでいることを知り、8Kがぐっと身近に感じました。そしてあらためて、家のテレビを調べてみると……、「4K対応」だと判明!(これまでまったく気にしていませんでした…)

まずは、BS4Kで4K映像に触れてみたいと思います。 4K8Kの情報はこのページ(NHK BS4K・BS8K|NHK)にもたくさん載っています。興味を持たれた方は、ぜひご覧ください!