ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムのブーム再来!そして、少年を夢中にさせたあの名作ドラマが再放送にの画像

「プレミアムカフェ」
蘇る少年ドラマシリーズ「蜃気楼博士」
第1回~第4回
6/20(月)BSプレミアム 午前9時~
第5回~第8回
6/21(火)BSプレミアム 午前9時~
第9回~最終回
6/22(水)BSプレミアム 午前9時~
※それぞれの再放送は、翌日午前0時~

【原作】都筑道夫「蜃気楼博士」
【脚本】川崎九越
【音楽】熊谷賢一
【出演】井上昭文、剣持伴紀、吉川浄、田中健三ほか
【初回放送】1978年1月9日~26日
【あらすじ】
霊媒師・峠原忠明が行う守護霊を使った殺人実験。一方、超能力などありえないと断言する奇術師、ドクター・ミラージュ「蜃気楼博士」こと久保寺俊作。さらに事件の真相に迫ろうとする週刊誌記者・昭一と中学生・次郎の草間兄弟…そして驚きの結末。

スタジオゲストには、少年ドラマシリーズに思い出を持つ、作家/コラムニストの泉麻人さん(写真左)と映画監督/脚本家の犬童一心さん。

現在、映画館で『シン・ウルトラマン』や『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が上映中、来年には『シン・仮面ライダー』の公開も予定されるなど、かつて少年たちの人気を博した名作のリバイバルブームが巻き起こっている。

これらの作品がテレビで放送されたのは、1960年代~70年代。
日本は高度経済成長を遂げ、一気に「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称される経済大国になった時代だ。
その頃に少年期を過ごしたのは、いわゆるジェネレーションX(X世代)。とくに日本では「新人類世代(1956年~1964年生まれ)」と呼ばれている。

当時、アメリカのアポロ計画に代表される宇宙プロジェクトが始まり、1970年には大阪万博が開催。
科学技術が輝ける未来を切り拓いていくと期待し、日本の繁栄も永遠に続くと思われていた。その反面、漠然とした不安も社会に広がっていたような気がする。
そういえば、「ノストラダムスの大予言」が大ヒットしたのも1974年のことだ。

あれから半世紀。
現代は、新しい科学技術・メタバースなどが次なる未来を創ろうとしている。
ただ日本社会・経済にかつての勢いはなく、紛争や格差社会などがまん延し、先が見えない混沌とした社会情勢が続いている。

ウルトラマンなどかつての少年向け作品が人気を博しているのは、時代の気分が共通している部分もあるのか?
そして、年配世代にとっては少年の頃のワクワクを思い出す機会に。一方、初めて見る若者にとっても、高いオリジナリティーと娯楽性、斬新さが感じられるからだろう。

「新人類」たちがウルトラシリーズや仮面ライダーに夢中になっていた頃、NHKでも少年たちの心をつかむドラマシリーズが始まった。
1972年スタートの「少年ドラマシリーズ」

筒井康隆原作の「タイム・トラベラー」を第1作目として、1983年までにじつに99タイトルを放送した。ちなみに、「タイム・トラベラー」と原田知世主演の映画『時をかける少女』は、同じ原作だ。

ジャンルもSFからミステリー、文芸もの、コメディーまで多種多様。おもに放送されていたウイークデイの午後6時頃は、筆者も夕食前のひと時、テレビにかじり付いていたことを思い出す。

何より、こちらと同世代の人物が必ず出てきて大活躍するので、見ていてその子に共感できるし、ストーリーにもずっぽり浸れる。
その上、子供向けといっても、題材も内容も演出も音楽も、一流のスタッフが手がけ、クオリティーの高い作品に仕上げているので、見応えも十分だ。今見ても、あまり古さを感じさせないほど。

このたび、うれしいニュースが届いた。
少年ドラマシリーズの86作目にあたる「蜃気楼博士」を再放送するというのだ。

©NHK 「蜃気楼博士」

実は、当時の映像はNHKにも残っていないことが多いのだが、NHKアーカイブスが行っている「NHK番組発掘プロジェクト」によって、4年前に発見。そしてやっと、全12回が再び日の目を見ることになった。この作品、なんとなくだが最後の最後までハラハラした覚えが!

この発掘プロジェクトは、視聴者が所有する録画テープなどを提供してもらう目的で始まったが、今作品は、なんと出演者の一人で、週刊誌記者・草間昭一役の吉川淨さんからの提供だという。本当に貴重な映像をよくぞ!

もうひとつ、うれしいニュースがある。先日最終回を迎えた土曜ドラマ「17才の帝国」が6/25(土)から総合テレビで2夜連続、集中再放送される。

実は、「17才の帝国」を見ていて感じていたことがあった。
若者が主人公で、社会性や時代性をヴィヴィッドに映し出していく作品の魅力は、どことなく少年ドラマシリーズと似ていると。

NHKには是非、「蜃気楼博士」に続いて、ほかの作品も定期的に再放送をお願いしたいし、なんなら「17才の帝国」の続編も含め、2020年代版「少年ドラマシリーズ」を制作してはいかがだろう。

作品の詳細や「NHK番組発掘プロジェクト」や「少年ドラマシリーズ」については、下記のリンクを参照、ぜひアクセスを!

◉NHKアーカイブス NHK番組 発掘プロジェクト通信
「40年前の少年ドラマ『蜃気楼博士』全12回発掘!(2018年)」
https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail180.html

「少年ドラマシリーズを動画でご紹介・第1弾! 『蜃気楼博士』(2020年)」
https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail264.html

「少年ドラマ完全再放送!『蜃気楼博士』全12回(2022年)」
https://www.nhk.or.jp/archives/hakkutsu/news/detail311.html

◉NHKアーカイブス 放送史
「少年ドラマシリーズ」
https://www2.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/?d=drama012

◉土曜ドラマ「17才の帝国」
https://www.nhk.jp/p/ts/VNXRGXV8Q3/